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    住まいに関する特集コーナーです。

    ポータブルトイレにも「温水洗浄」

    介護用 快適に

    • 温水洗浄機能付きのポータブルトイレ。「今後もっと利用者が増えるはず」と大野木さん(東京都江東区で)
      温水洗浄機能付きのポータブルトイレ。「今後もっと利用者が増えるはず」と大野木さん(東京都江東区で)

     家庭のトイレに普及した「温水洗浄」機能が、介護が必要な人向けのポータブルトイレなどにも広がりつつある。

     温水でおしりを洗う快適さだけではない。人に拭いてもらう必要がなく本人の尊厳が守られることや、清潔さを保ってかぶれを防げる点でも評価されている。

    人の手借りず気兼ねなく

     離れた場所にあるトイレまで移動しなくても済むよう、ベッド脇に置くのがポータブルトイレ。注目され始めたのは、これに温水洗浄機能が付いたタイプだ。備えつけのタンクに水を入れ、リモコンや座面わきのボタンを操作すると、ノズルから温水が出ておしりを洗う。

     福祉用具レンタル・販売大手、ヤマシタコーポレーション東京東営業所の福祉用具選定士、大野木麻亜美まあみさん(27)は「ポータブルトイレの購入者のうち『温水洗浄付き』を選ぶ人は少しずつ増え、今は1~2割程度になった」と話す。

     購入理由は「毎日は入浴できないが清潔にしたい」「手が不自由だから」など。拭き残しによるかぶれやただれを防げるのも大きなメリット。排せつ後に人に拭いてもらうことに気兼ねし、水分を取るのを控える人も少なくないという。「人の手を借りずに用が足せるのはありがたい、と喜ばれる」と大野木さん。

     家庭の普通のトイレに温水洗浄便座が普及し始めたのは1990年代初めごろ。内閣府の調査によると、現在、一般家庭への普及率は7割を超えている。こうしたトイレを日常生活で使ってきた人たちが、介護を受けるようになってからも温水洗浄を希望するケースも少なくないようだ。

     温水洗浄機能付きポータブルトイレは、TOTOやパナソニックエイジフリーライフテック、アロン化成などが製造している。価格は税抜きで13万~16万円程度。便座の暖房、脱臭機能の有無や、手すりが可動式かどうかなどにより価格が異なる。

     ポータブルトイレは、国が介護保険の給付対象にしており、購入費のうち10万円までは1割負担になる。ただ、温水洗浄機能付きの商品は「ぜいたくでは」という意見もある。温水洗浄機能付きを介護保険の対象に含めるかどうかは、自治体それぞれで判断している。

    寝室設置型も

    • TOTOの「ベッドサイド水洗トイレ」
      TOTOの「ベッドサイド水洗トイレ」

     さらに快適なトイレを目指して、TOTOが開発したのが「ベッドサイド水洗トイレ」だ。文字通り、寝室に設置できる温水洗浄機能付きの水洗トイレ。汚物を細かく粉砕してから、細いホースを経由して屋外排水管に流す仕組みだ。比較的簡単な工事で設置できる。このトイレなら、ポータブルトイレのように介護者が汚物を捨てる必要はない。価格は税抜き約53万円と高額だが、今年4月以降は介護保険の給付対象になる。

     介護関連企業で作る「シルバーサービス振興会」総務部長の久留くどめ善武さんは、「福祉用具は、介護が必要になってもそれまでの暮らしをできるだけ続けるための道具であり、選択肢が広がるのはいいこと」と話している。(針原陽子)

    2015年03月04日 08時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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