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    住まいに関する特集コーナーです。

    火災保険 最長「10年」に

    10月改定 期間短く

    • 保険代理店では、長期の火災保険に入り直したいという相談や試算に応じている(東京都文京区の「保険クリニック」で)
      保険代理店では、長期の火災保険に入り直したいという相談や試算に応じている(東京都文京区の「保険クリニック」で)

     火災や台風で自宅が損害を受けた際に補償される火災保険が、10月から変わる。

     これまで保険期間は最長36年だったが、今後は10年までになる。保険期間が長いほど保険料は割安なので、今のうちに長期の保険に入り直そうという人もいるだろう。各社の保険料の改定が8月までぐらいには発表される予定なので、それを待って慎重に検討したい。

     損害保険各社でつくる損害保険料率算出機構は昨年6月、火災保険料の基準となる参考純率を平均3・5%引き上げ、さらに保険期間を「10年まで」と発表した。

     各社はこれを参考に今年10月1日に保険料を改定する。保険料が上がるか下がるかは家庭によって異なり、各社が保険料改定を発表するまで分からない。確実に家計に影響するのは、割安だった10年を超える契約ができなくなることだ。

     局地豪雨、竜巻、異常な大雪など、今まで考えられなかった気象現象による家屋損害が増え、損保会社の長期的な保険金支払いリスクが読めなくなったためだ。「住宅ローンの返済期日に合わせて30年満期」といった、これまで定番の契約はできなくなる。

     火災保険料は保険期間が長いほど割安だ。朝日火災海上保険(東京)の商品で保険期間10年の一括払いの場合、1年契約を10年継続した場合と比べ、18%割安になる。これが36年一括払いだと、同様の比較で32%も割安だ=図=。

    割安「36年」 入り直す人も

     今のうちに、入っている保険を解約し、10年を超える長期の保険に入り直す人も現れている。埼玉県の男性(44)は住宅購入時に35年契約の火災保険に加入し、満期まで24年も残っていたが、今年4月、解約のうえ改めて35年契約で入り直した。「満期を少しでも先に延ばし、将来のリスクをなくそうと思った」と話す。

     火災保険を中途解約しても、違約金は発生しない。残りの保険期間分の保険料は大半が戻ってくる。男性の場合、解約した保険から30万円余りが戻る予定だ。

     保険に詳しいファイナンシャルプランナーの平野敦之さんは「新たな保険に入り直すことが有効な場合はあります。ただし、様々な要素を考え合わせましょう」と注意を促す。

     10月の保険料改定で値下げとなる家庭もある。その場合、今契約し直すのは損になるかもしれない。

     また、火災保険を解約すれば、地震保険もセットで解約になることを頭に入れておきたい。地震保険は昨年、多くの地域で保険料が値上げされたばかり。都内のマンションだと2割も上がっている。火災保険料が安くなっても、解約前より高い保険料の地震保険に入り直すことになり、全体で損になる可能性がある。

     平野さんは「各社の火災保険料改定の発表を待って、損保会社や保険代理店に試算してもらいましょう」と助言する。さらに、「自宅の火災保険の内容は意外と知らないもの。余計な補償が付いていたり、必要な補償がなかったりすることもある。この機に見直してみては」と話している。

    参考純率 損害保険料率算出機構が、過去の保険金支払額や今後起こりそうな自然災害による損害のリスクなどをもとにして算出する。建物の構造や都道府県によって異なり、損保各社はこれを参考に保険料を決める。

    2015年06月16日 14時58分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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