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    住まいに関する特集コーナーです。

    複雑なチャイルドロック

    洗濯機ボタン 長押しや同時操作

     東京都内で先月、ドラム式洗濯機に男児が閉じこめられて亡くなった事故を受け、消費者庁は子どもが蓋を開けて中に入るのを防ぐ「チャイルドロック機能」の活用を呼びかけた。

     ただ、操作が複雑な機種があるなど、利用が広がらない面もあるようだ。専門家は取扱説明書の改善などを提案する。

     チャイルドロックは、電源を切った状態や運転前などに、蓋を開けられなくする機能。ボタンを長押ししたり、2か所のボタンを同時に押したりするなど、特別な操作で設定や解除ができる。事故を受け、消費者庁や、家電メーカーなどで作る日本電機工業会(東京)は、ロック機能の活用を訴えている。縦型洗濯機の多くの機種にもロック機能があり、子どもの転落事故防止に有効としている。

     ドラム式を使っている東京都内の会社員女性(33)は、事故を機に本体の表示に従い、初めてロック機能を使った。2歳の子どもがいる。ただ、毎回複数のボタンを押して、設定しなければならず、「つい面倒でロックせずにすませてしまう」。

     消費者庁の担当者は「ロック機能についてあまり知られていない。機種によっては操作がわかりにくいものもある」と指摘する。

     同工業会によると、ロック機能の設定や解除の方法は各社で異なり、本体に表示された注意書きのスタイルにも基準はないという。「ロック」と表示されたボタンがなく、「スタート」や「予約」ボタンを組み合わせて押すなど操作がわかりにくい機種もある。メーカー各社は、「ボタンの数が限られ、複数のボタンによる操作とした」「子どもが簡単に開けられないようにしている」などと説明。同工業会は「説明書をよく読んでいただきたいとしか言えない」と困惑する。

     子どもの事故防止に取り組む「みらい子育てネット東京」会長の小林睦子さんは「家電類の高機能化で、説明書が分厚くなっている。最初に目を通す概要版でロック機能を明記しては」と提案する。また注意書きや警告音などを同工業会で統一し、啓発活動を展開してほしいとしている。

     国立研究開発法人・産業技術総合研究所の人間情報研究部門長、持丸正明さんは、子どもによる操作を難しくした「チャイルドレジスタンス(CR)ライター」が参考になると指摘する。火遊びによる事故が相次いだため、子どもの力ではボタンを押して着火できなくするなどした。「洗濯機の蓋も、大人の力では開けられても、子どもには開けにくくするといったことは可能。この考え方をもとにした改善と、消費者への注意喚起を組み合わせていくべきだ」と話している。

     チャイルドロック機能は、車などにも備えられているので、確認したい。

     車には、子どもがドアを開けないように、ロックする機能がある。ドアの側面のレバーを操作するなどして使う。またパワーウィンドーに体が挟まれないように、窓の開閉ができなくなる機能もある。家庭用給水器「ウォーターサーバー」にも熱湯によるやけどを防ぐロック機能がある。(斉藤保)

    2015年07月16日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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