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    住まいに関する特集コーナーです。

    火災保険料10月改定 災害リスクで差

    台風「多い地域」3割上げ

     火災保険の保険料が10月から大きく変わる。

     台風など自然災害による損害リスクが高まっているとして、損害保険各社の保険料は全国平均で2~4%程度値上げされる。ただ、リスク予想に伴い、大幅値上げがある一方、値下げされる地域もある。

    ■大雪、竜巻も補償

     火災保険は火事だけではなく、台風や大雪など自然災害による建物の損害も補償する。近年は、竜巻や台風並みの勢力を持つ「猛烈低気圧」による被害も相次いでいる。

     損保各社で作る損害保険料率算出機構によると、業界全体の保険金支払額は、台風による損害が1989~2003年度の年度平均800億円から、04~12年度は同1000億円に増えた。台風以外の風ひょう災害も07~09年度の累計約500億円から、10~12年度の同約1400億円となった。

     台風や猛烈低気圧は、広範囲に被害をもたらすため、保険金額も大きくなり、損保各社の火災保険収益を圧迫している。このため、同機構は昨年7月、損保の保険料の目安となる「参考純率」を、全国平均で3・5%引き上げた。これを受けて損保各社も10月から、保険料を大幅に見直す。

    ■値下げのケースも

     各社の見直しは、全国平均では2~4%の値上げとなるが、内容は都道府県や、木造一戸建てかマンションかといった建物構造で大きく異なる。家財を除いた建物被害のみのカバーでは、台風被害の多い九州・沖縄が3割超の値上げとなる一方、比較的リスクが低いとみられた宮城、福島、東京などは構造によっては値下げとなるケースもある。

     ある大手損保の福岡県の年間保険料を見ると、マンション(保険金1000万円)は3440円から5060円と約47%の値上げとなる。木造一戸建て(同2000万円)も、4万5210円が6万2280円と約38%上がる。マンションでは、愛知県の値上げ(約39%)も大きい。マンションは、配管の老朽化などによる水ぬれ被害が増えているのも値上げ要因だ。一方、大阪府の木造一戸建ては約13%の値下げとなる。

    ■軽減策

     損保各社は保険料の軽減策も導入する。東京海上日動火災保険は築10年未満の建物については最大10%安くする。三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険は、築11か月内を最大11%安くする。損害保険ジャパン日本興亜も築11か月以内を対象に、数%~20%超を割り引く。また、損害を受けた時に、自己負担でまかなう額(免責額)の上限を引き上げることで、保険料を抑えるプランなどを導入するところもある。

    ■契約期間短縮

     見直しは契約期間にも及ぶ。損保各社は、これまで最長36年の長期契約に応じてきたが、10月からは10年が最長となる。契約期間が長ければ、損害リスクが高まり保険金支払額も増える傾向にあるからだ。

     保険料は契約期間が長いほど1年当たりの保険料が割安となる。これまでは、住宅購入時に30年といった長期住宅ローンに合わせて契約し、割安な保険料を支払っていた人もいたが、今後は、最長10年分の割引しか受けられなくなる。

     火災保険は契約期間中に解約すると、一括払いした保険料の残りの保険期間分の大半が戻ってくる。値上げの地域なら、現在の保険を解約し、9月中に見直し前の保険料で長期契約を結ぶ方法を検討してもいい。(香取直武)

    2015年09月07日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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