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    住まいに関する特集コーナーです。

    老後資金、いくら必要

     給与は右肩上がり、老後は年金で悠々自適――というのは昔の話。老後の家計が心配という人も多いのでは。現役世代はどう備えるべきか、経済ジャーナリストの荻原博子さんと、ファイナンシャルプランナーの藤川太さんに聞いた。(竹内和佳子)

    ◆赤字月6万円

     老後の収入を支える大きな柱の一つが公的年金。だが、あまり当てにし過ぎるのは禁物だ。今春には、年金支給額の伸びを物価や賃金の上昇より低く抑える「マクロ経済スライド」が初めて実施され、年金の実質的な目減りが本格的にスタートした。

     総務省の家計調査年報(2014年、表1)によると、夫が65歳以上の夫婦2人の無職世帯では、毎月の総支出は平均26万8907円。一方、年金などの実収入の平均は月20万7347円で、6万1560円が「赤字」となる。不足分は貯蓄の取り崩しなどで補わねばならない。老後の生活費の補填ほてんのほか、介護・医療費など大きな支出に備えるためにも、貯蓄は重要だ。

    まず「資産の棚卸し」

    ◆節目は50歳

    • 荻原博子さん 1954年生まれ。経済ジャーナリスト。年金、保険、家計などの分野に明るく、消費者の視点に立った経済解説をライフワークとしている。
      荻原博子さん 1954年生まれ。経済ジャーナリスト。年金、保険、家計などの分野に明るく、消費者の視点に立った経済解説をライフワークとしている。

     荻原さんは「現役世代は、まず資産の棚卸しをすることが重要」と話す。「資産の棚卸し」とは、現時点での預貯金残高や保険の解約返戻金、不動産の評価額などの資産合計額から、住宅ローンなど負債合計額を差し引き、資産を算出すること。まずは資産・負債の現状を把握しよう。

     その上で荻原さんが勧める対策が、「定年前の早い時期、できれば50歳時点で金融資産と借金をプラスマイナスゼロに近づけること」。理想的には、50歳までに住宅ローンは繰り上げ返済を活用して完済し、子供の教育費は目標額を決め必要額を積み立てる。50歳以降は、住宅ローンと教育費の準備に払っていたお金を、老後資金として積み立てる、という方法だ。早めに借金を減らし、貯蓄に回す分を増やすことが大原則となる。

     荻原さんは「人生にはお金に関して、〈1〉住宅ローン〈2〉教育資金〈3〉老後資金、という三つのハードルがある。いきなり〈3〉から跳ぼうとせずに、順を追って跳んで行くことが肝心」という。

    ◆夫婦で1500万円

     必要な老後資金を算出するには、65歳以降の家計の収支を計算するとよい(表2)。生活費やその他の費用など老後に見込まれる支出総額から、年金や預貯金など老後の収入と資産の総額を差し引く。すると、老後の暮らしを実現するため必要な金額がわかる。

     支出で特に気がかりなのは医療・介護費用だろう。荻原さんは「介護で実際にかかった費用の平均は1人約500万円。医療費も高額療養費制度で負担上限額が決まっているので、1人150万円で何とかなる。夫婦で1500万円用意しておけば対応可能」という。

    一覧表で将来把握

    • 藤川太さん 1968年生まれ。ファイナンシャルプランナー、「家計の見直し相談センター」代表。同センターは、これまでに約2万世帯の家計相談を受けた実績を持つ。
      藤川太さん 1968年生まれ。ファイナンシャルプランナー、「家計の見直し相談センター」代表。同センターは、これまでに約2万世帯の家計相談を受けた実績を持つ。

     藤川さんは、自動車購入費や自宅補修費など「予想される多額の臨時支出をしっかり把握しておくとよい」と指摘する。これらを想定しないと、資金計画が大きく狂うこともあるからだ。

     必要額を見積もるためには、家族一人ひとりについて、生涯にいつ、どんな出費がありそうかをあらかじめ一覧表に書き込む「ライフプラン」(表3)を作成するといいそう。多額の支出が見込まれるなら、早めに支出を削ったり、そのための積み立てを増やしたりと、軌道修正できる。

     ライフプランを書き込むための表は現役世代だけでなく、リタイア世代も活用でき、「日本FP協会」のホームページからダウンロード可能だ。

     藤川さんは、生涯の資金計画を考える際には「家族全員でよく話し合うことが重要」と強調する。一家で実現したいことは何か、我慢できそうなことは何か、優先順位を付け、目標を共有すれば、一丸となって無駄な支出を削りやすくなる。

    2015年12月01日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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