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    住まいと暮らしに関わるニュースを掲載します。

    マンションの共用施設再生

    利用回数アップ、維持費削減

    • 「ブリリアマーレ有明」のイタリアンレストラン。以前はバーだった(東京都江東区で)
      「ブリリアマーレ有明」のイタリアンレストラン。以前はバーだった(東京都江東区で)

     マンションの管理組合が、共用施設を別の施設へ改修するケースが目立っている。維持管理費の負担を軽くし、住民同士の交流なども促すためだ。

     仙台市のマンション「ライオンズタワー仙台広瀬」(築13年、404戸)の管理組合法人は8年前、温水プールを撤去し、卓球やダンス、音楽などを楽しめる「多目的スタジオ」に改修した。

     プールの利用率が低かったうえ、年間200万円もの維持管理費が重荷になっていたためだ。改修工事費約3000万円は修繕積立金をあてた。改修後の維持管理費が数万円で済むほか、プールを続けた場合の修繕費も考慮すると、10年程度で元がとれる計算という。全戸アンケートや意見交換会を経て、総会の決議で了承を得た。

     住民からは「余暇活動が増えた」と好評だという。月の平均利用回数は約40回で、改修前の7倍以上になった。現在、キッズルームの一部を図書ラウンジに改修中だ。

     同法人理事長の杉山すすむさんは「前理事長時代から議論を重ねてきた。住民が集う機会が増えることで、コミュニティーの活性化につながれば」と期待する。

     東京都内のマンションでは、稼働率が低下した機械式駐車場の一部を、2012年に平置き駐車場に改修した。かねて住民の要望が多く、機械式より利用料が高いのにもかかわらず、改修後の応募倍率は4倍にのぼった。利用収入の増加につながったという。

     東京都江東区の大規模マンション「ブリリアマーレ有明」(築7年、1085戸)では2年前、利用の減ったバーを高級感を損なわないよう配慮して、イタリアンレストランに改修した。経営は外部に委託。管理組合法人理事長の星川太輔さんは「平日も住民でにぎわうようになり、以前より活気がある」と話す。

     共用施設を改修するには住民の合意が不可欠だ。区分所有法では、「著しい変更」を伴う場合、管理組合の総会決議で4分の3以上の同意が必要とされる。しかし、組合の理事が交代を繰り返していくうちに、懸案の議論が振り出しに戻ることも少なくない。

     マンション事情に詳しい「中央不動産鑑定所」(東京)執行役員の田島洋さんは「遊休化した共用施設をそのままにすると、マンションの資産価値や魅力を損ないかねない」と指摘する。

     横浜市立大の斉藤広子教授(不動産学)は「施設の改修を考えるのなら、利用状況をしっかり把握してほしい。維持管理費なども踏まえ、住民が客観的に判断できるデータを提示し、説明会などで丁寧に話し合うことが大切」と助言する。

     共用施設の充実度を中古マンション選びの参考にする人もいるだろう。田島さんは、施設の利用状況や老朽化などについて購入前に仲介業者などから情報を得ることを勧める。「長期修繕計画書や管理組合の総会議事録を閲覧できる場合もある。入居してから後悔しないためにも、しっかり吟味してほしい」と話す。

    2016年01月18日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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