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    マンション「標準規約」改正へ…管理組合役員外部からも

     マンションの管理ルールのモデルとなる「標準管理規約」を、国土交通省が今年度中にも改正する。今は、管理組合の役員は持ち主から選ぶことになっているが、マンション管理士など外部の専門家もなれるようにする。高齢化で、役員の仕事をできる持ち主が減っており、適切な建物の維持管理ができなくなる恐れがあるためだ。

    理事長や監事に専門家など…高齢化で人手不足

     それぞれのマンションでは、持ち主全員で管理組合を作り、基本ルールとなる管理規約を定めて、建物の維持管理などをしている。管理規約はいわば、マンションごとの「憲法」だ。普通は、国の標準管理規約を参考にして作り、その後も、参考にしながら改正することが多い。

     今の標準管理規約では、管理組合の理事や監事は、総会で持ち主の中から選ぶことになっている。改正で、マンション管理士や建築士など、専門知識を持った外部の専門家も、報酬をもらって理事や監事になれるようにする。理事長や副理事長も引き受けられるようにする。

     背景にあるのは、持ち主の高齢化と建物の老朽化だ。

     国交省の2013年度の全国調査では、持ち主の半数が60歳以上だった。一方で、建物も古くなって補修工事などが増えている。役員の仕事ができる持ち主が減れば、役員の負担が増えて、工事の発注などで適切な判断ができなくなり、建物の維持管理が進まない恐れがある。

     日本マンション管理士会連合会(東京)の会長、親泊おやどまり哲さんは「役員を確保しにくいマンションでは、管理を今後どうするかという議論ができていない例もある。今回の改正は議論を深めるきっかけにもなる」と期待する。

     ただ、外部の専門家を使う場合には課題もある。例えば、建築士が役員になり、自分の関係する設計会社に、改修工事の設計を高額で発注しようとすれば、管理組合の利益にならない。

     このため、改正では防止策も盛り込む。具体的には、その役員が〈1〉理事会で承認を得なければならない〈2〉理事会の議決には参加できない――などとする方針だ。

     全国マンション管理組合連合会(東京)の事務局長、川上湛永やすひささんは「標準管理規約が改正された後、内容をしっかり確認し、自分のマンションの状況に応じて、管理規約の改正が必要かを検討してほしい」と話している。

    標準管理規約で改正を検討中の主な点

    ・管理組合の役員に外部の専門家がなれるようにする

    ・管理費をコミュニティー活動に使えるという規定を削除する

    ・災害時、共用部分の補修などは、理事長の判断や理事会の決定でできるようにする

    ・災害時、緊急措置として、理事長が専有部分に立ち入れるようにする

    「コミュニティー活動」巡り賛否

     今回の標準管理規約の改正では、持ち主から集めた管理費をコミュニティー活動に使えるとする規定の削除も検討されている。コミュニティー活動の定義が曖昧で、持ち主の一部しか参加しない宴会などに管理費が使われ、問題視される例があるためだ。

     ただ、国交省が昨年秋、一般からの意見を募ったところ、コミュニティー意識の重要性そのものを否定しかねないと反対する声が、マンション管理の関係者から多く寄せられた。管理組合を円滑に運営するには、持ち主同士のコミュニティー意識が不可欠だという考えがあるからだ。

     国交省は「反対意見も考慮しながら、規定を削除するかどうかは慎重に決めたい」としている。(崎長敬志)

    2016年01月30日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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