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    住まいと暮らしに関わるニュースを掲載します。

    モラルのない心を成敗! 日曜の渋谷に「ゴミ拾い侍」

     日曜午後の渋谷ハチ公前の交差点。そこに、着流し姿の3人の「侍」が現れた。「何やつ!」―――。先頭の侍が何かを目ざとく見つけ、声を発して走り出した。周囲の好奇の視線をものともせず、3人は交差点内に落ちていたゴミを華麗な刀さばき、いや、火ばさみさばきで拾ってはかごに入れ、拍子木の音でポーズを決めた。「モラルのない心を、成敗!」。むしろこちらが聞きたい。あなた方はいったい何やつでござるか。(地方部・松崎美保)

    正体は若手俳優たち

    • 渋谷駅前交差点でポーズを決める侍。通行人は当惑気味
      渋谷駅前交差点でポーズを決める侍。通行人は当惑気味

     彼らの名は「GOMI拾い侍」。舞台で殺陣を中心に活動する劇団「一世一代時代組」のメンバーだ。俳優の後藤一機(いっき)さん(50)が、殺陣を指導する専門学校の教え子から募り、昨年結成、渋谷でゴミ拾いを始めた。

     毎週日曜日の午後、渋谷駅前から公園通り、センター街の約2キロを練り歩き、たばこの吸い殻や空き缶などポイ捨てされたゴミを拾っている。

    外国人観光客に大好評

     衣装はデニム生地の着物に、腰には刀代わりの火ばさみを「帯刀」。背中には、かごや日の丸模様のちりとりを背負っている。夏も冬もこのスタイルを崩さない。ひとたびゴミを拾い、ポーズを決めれば、通行人はポカンとしたり、拍手をしたり。記念撮影を求められることもしばしばだ。特に外国人観光客からは好評で、フィリピンから旅行で来たという男性も「(ゴミを拾って)すばらしい。まさにサムライだ」と感激しきりだった。

    • 日曜の渋谷で「何やつ!」「成敗」と聞こえたら、それは彼ら「GOMI拾い侍」
      日曜の渋谷で「何やつ!」「成敗」と聞こえたら、それは彼ら「GOMI拾い侍」
    • 「カッコイイ!」記念撮影をする外国人も少なくない
      「カッコイイ!」記念撮影をする外国人も少なくない

    • センター街で大立ち回りを披露する侍
      センター街で大立ち回りを披露する侍
    • 道端に落ちている空き缶を拾う侍
      道端に落ちている空き缶を拾う侍

    志は「ホコ天復活」

    • 「一世風靡セピア」が解散公演をした渋谷公会堂に一礼する侍
      「一世風靡セピア」が解散公演をした渋谷公会堂に一礼する侍

     ゴミ拾いの裏には、後藤さんの後悔の念がある。

     有名になりたい一心で、20歳で兵庫県から上京した後藤さんは、ストリートパフォーマンス集団のメンバーになった。当時は「ホコ天(歩行者天国)」全盛期。渋谷や原宿の路上には、若者が集まってはパフォーマンスの腕を競い、柳葉敏郎さんや哀川翔さんらが所属した「一世風靡(いっせいふうび)セピア」などスターが誕生した。しかし、次第に騒音やゴミが社会問題となり、その結果、原宿はじめ各地でホコ天は姿を消した。「若者文化を若者自身が潰したことが、ずっと残念でならなかった」と後藤さん。

     今度は俺たちが社会現象を起こして、若者文化を守っていく―――。ゴミ拾いパフォーマンスは、リベンジだ。渋谷を舞台に選んだのも、かつてホコ天パフォーマーの聖地であり、トレンドと泥臭さが混在しているから。将来はホコ天復活も夢見ている。

    • ゴミを集めた後はメンバー全員で分別をする
      ゴミを集めた後はメンバー全員で分別をする
    • 発起人の俳優・後藤一機さん(左)
      発起人の俳優・後藤一機さん(左)

     後藤さんの心意気に応じた3人の侍のうち、最年長の松嶋康晃さん(32)は「ゴミ拾い活動を知ってもらい、SNSで広めてもらうことで、世界中の道ばたからゴミをなくしていきたい。渋谷はその舞台に最適」と話す。

     「普通に(ゴミを)拾った方が早い」などとヤジを浴びることもある。しかし、後藤さんは「我々が目立つことで意識してもらい、ゴミを捨てる人が減ってほしい。今後はもっとかぶいていく」と話している。


    ゴミ拾い侍の活動を見るには


    毎週日曜日、午後3時から1時間半~2時間程度実施。渋谷ハチ公前の交差点をスタートし、渋谷公園通りなどを巡回する(概略は右図を参照)。冬季は時間が1時間早まる。センター街のマクドナルド前の交差点で、夏は午後2時45分、冬は同3時45分頃に、スペシャルパフォーマンスを行う。
     一緒にゴミを拾いたい、活動に協力したいという人は、メール( info@isseiichidai.com )、またはツイッター( @jidaigumi_tokyo )など公式SNSのダイレクトメッセージへ連絡を。
    2017年03月17日 13時17分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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