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    小説や映画、詩や歌に残された作家たちの名言。その舞台となった土地をたずね、言葉が生まれた物語や背景、今を生きる人々の記憶を紹介します。

    岡本太郎「芸術は爆発だ!」

    人類に突きつける問い

    芸術は爆発だ!(岡本太郎の言葉)

    • 高さ70メートルの太陽の塔。万博記念公園のランドマークとしても、大阪の人々に愛され続けている(大阪府吹田市で)
      高さ70メートルの太陽の塔。万博記念公園のランドマークとしても、大阪の人々に愛され続けている(大阪府吹田市で)

    「芸術は爆発だ!」。唯一無二の存在感で人々に強烈な記憶を刻んだ芸術家・岡本太郎。その弁によれば、芸術とは、生きることそのもの。爆発とは、ドカーンと破裂するのではなく、「宇宙に向かって精神が、いのちがぱあっとひらく」こと。大阪府吹田市の万博記念公園に立つ「太陽の塔」は、岡本の代表作であり、魂の発露でもあった。

     1970年の大阪万博のテーマは「人類の進歩と調和」。当時、日本は高度成長のただ中にあり、米国とソ連(当時)は宇宙開発にしのぎを削っていた。

     万博のテーマ展示を任された岡本は、科学技術の発展を手放しで賛美しなかった。「見本市であったり、また国威宣揚のナショナル・フェアであっては意味がない」と考え、「生命の神秘をふきあげ」「人間の誇りを爆発させる司祭」として、太陽の塔に未来都市を思わせる万博会場を睥睨へいげいさせたのである。

     「未来を考えるのなら、『我々の根源を見据えてみろ』、と呼びかけたのです」。養女である岡本敏子のおいで、幼い頃から太郎と接してきた平野暁臣・岡本太郎記念館館長(58)が語る。

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     塔の内部には「生命の」という展示が設けられた。高さ41メートルの巨樹が背骨のように伸び、根元にはアメーバのような原生生物の模型。魚類、恐竜、類人猿……来場者が順路に従って上へ向かうとともに、生物群の模型が進化していく。

     科学は何のためにあるのか? 躍動する生命こそ、全ての根源であることを忘れるな――。強烈な生命のエネルギーを発する太陽の塔は、浮かれる人類に対し警句を発していた。平野さんは、そう感じている。

     万博閉幕後、内部展示は一部撤去され、太陽の塔は外観しか見られなくなった。大阪府は塔の耐震補強と同時に内部展示の再現を進めており、3月19日から一般公開する予定だ。

     原子力などの科学技術がもろ刃の剣であることが、改めて人類に突きつけられている現代。もうすぐ半世紀近い眠りから覚める巨像は、私たちにどんな問いを突きつけるのだろうか。(文・増田真郷 写真・岩佐譲)

    岡本太郎
     1911~96年。母は作家・岡本かの子、父は漫画家・岡本一平。30年からフランス滞在。抽象芸術やシュールレアリスムの運動に参加、パリ大学で哲学などを学ぶ。40年の帰国後、中国戦線へ。46年に復員し、独自の前衛芸術活動を展開。活躍の場は芸術分野にとどまらず、文明論を論じ、マルチタレントとしてテレビでも人気を博した。秘書で生涯のパートナーだった岡本敏子(26~2005年)の「芸術は爆発だ! 岡本太郎痛快語録」(小学館文庫)などで、太郎の生涯をたどれる。

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    2018年01月07日 04時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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