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    街の華 また一つ幕 千葉三越閉店

    • 閉店を迎えた三越千葉店で訪れた人たちに頭を下げる北條店長ら従業員(20日午後7時34分、千葉市中央区で)=田村充撮影
      閉店を迎えた三越千葉店で訪れた人たちに頭を下げる北條店長ら従業員(20日午後7時34分、千葉市中央区で)=田村充撮影

     千葉市中央区の三越千葉店が20日、営業を終了し、33年間の歴史に幕を下ろした。前身の百貨店「ニューナラヤ」時代から市街地のにぎわいを支えてきたが、近年は赤字が恒常化したことなどから閉店が決まった。同区では昨年11月にファッションビル「千葉パルコ」が閉店したばかり。大勢の市民らが最後の買い物を楽しみ、閉店を惜しんだ。

     この日は午前8時頃から店頭に客が並び始め、5分早めた午前9時55分の開店時には約550人が行列を作った。約1800個用意された三越の包装紙の柄「華ひらく」をモチーフにしたキーホルダーは開店早々に配布を終えた。

     開店前から並んだ四街道市の主婦、成島けいこさん(68)は会社員だった夫のスーツを買ったり、中元などを贈ったりしたといい、「残念ですね」と振り返った。千葉市若葉区の会社員、戸枝秋夫さん(58)は孫娘の着物を購入したことがあり、「愛着がある店なので非常に寂しい」と話した。

     同区の北原茂子さん(74)は「プレゼントや高価な買い物をする時は、接客態度が良い三越と決めていた」と懐かしむ。夫と食事や買い物を楽しんでいるといい、「思い出の多いデパートがなくなってしまうのは悲しい」と目に涙を浮かべた。

     1月18日から始まった閉店セールで、2月の売上高は前年の約2倍に上り、3月に入ってからは3倍を超えたという。

     閉店後の午後7時半から大通り西口で行われたセレモニーでは、北條司店長(57)が「これまでご愛顧いただいた多くのお客様、地域の皆様のことを決して忘れることはございません。本当に長い間、お世話になりました。ありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。市民からは「ありがとう」の声が飛んだり、拍手が起きたりした。

     同店は9月までに原状回復工事をして退出する予定。建物を所有する塚本総業(東京都)の粟生雄四郎・千葉支社長は「これまで街の活性化に貢献してくれたが、百貨店は厳しい環境で撤退は残念。今後は未定だが、にぎわい創出につながるようなテナントを誘致したい」と話した。

     一方、同店を含む「西銀座周辺」では再開発構想が練られている。熊谷俊人・千葉市長は「地元関係者が進める事業には、スピード感を持って必要な支援を行い、新たなにぎわいづくりが生まれることを期待する」とコメントした。

    2017年03月21日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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