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    新地鶏 ブランドへ一歩

    • 県畜産試験場で新たに開発された地鶏=県提供
      県畜産試験場で新たに開発された地鶏=県提供
    • 地鶏を試食する飲食店のシェフら(福井市の県自治会館で)
      地鶏を試食する飲食店のシェフら(福井市の県自治会館で)

     ◇「卵も肉もおいしく」…県、3年かけ開発

     10年以上にわたって地鶏の生産が中断していた県で4月から、新たな地鶏の飼育が始まる。肉のうまさだけではなく、黄身の大きい良質な卵も期待できる「卵肉らんにく兼用種」で、県畜産試験場(坂井市)が3年がかりで開発。県と生産者、提供店などが一体となり、ブランドの確立を目指す。(内田郁恵)

     ◇来月から2400羽 飼育

     地鶏は、日本農林規格(JAS)で「在来種由来の血液百分率が50%以上の国産銘柄鶏」などと定義されており、日本食鳥協会(東京都)によると、全国に約60銘柄ある。ブロイラーなどの「肉用種」と「卵用種」に大別されるが、多くは肉用種だ。

     同試験場も1991年、肉用種の「越前地鶏」を開発。歯ごたえのある肉質が人気だったが、大型のため県内には食肉処理できる業者がおらず、価格も高騰したため、2003年に生産を中止。以後、県内から地鶏は消えた。

     しかし、県内に約30軒ある養鶏農家の多くから「卵から肉までおいしい地鶏を」と要望を受け、同試験場が14年度から新品種の開発を始めた。

     越前地鶏の教訓を生かし、肉用種より小型で、農家の所得向上にもつながる卵肉兼用種を選択。産卵率向上のために福井市の養鶏場が品種改良した「ウエミチレッド」の雄と、肉、卵ともに良質の「岡崎おうはん」の雌を掛け合わせた。

     卵の黄身は、通常の卵より約1割重く、産卵率は卵用種と同等。卵を十分に産んだ後には、肉として出荷するが、ブロイラー並みのジューシーさと親鶏並みの歯ごたえを兼ね備え、うまみ成分「イノシン酸」は親鶏の約2倍、ブロイラーの約1・4倍となっている。

     4月下旬以降、県内8軒の養鶏場で計2400羽の飼育を始め、6月下旬からは卵、18年5月からは鶏肉の出荷も始める予定。今月7日には、生産者、扱う飲食店など約30人による「新地鶏推進協議会」が設立された。

     料亭「開花亭」(福井市)の開発毅社長(48)は「地鶏がないのは、やはり寂しい。生産者と意見を出し合い、新たな形の地鶏を育てていけたら」と期待。同協議会会長で養鶏場「黒川産業」の黒川公美子さん(49)は「まだ完成形ではないので、さらに磨き上げ、一日も早くブランド化していきたい」と話した。

    2017年03月20日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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