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    ビーチサンダル専門店「ゴムの木農園」(各務原市)代表 今村正人さん(39)

    ◆足元にエコと自由

     全国でも珍しいビーチサンダルの専門店。倉庫には、世界中から取り寄せた約700種10万足が保管されている。卸売りやインターネットで販売し、海外からも注文が入る。「自由で、とらわれないところがビーチサンダルの魅力」と笑顔で語る。

     ビーチサンダルの発祥は1950年代、日本とされる。今では世界中に広がり、「ゴムの木農園」は、タイやスリランカ、ブラジル、豪州、米国などと取引している。特に天然ゴムが取れる東南アジアは、多くのブランドが普及していて、ビーチサンダルを履く文化が根付いているという。

     タイのメーカーと作る人気商品「ヒッポブルー」は、塗料以外は天然ゴム製。履き心地が良く、足が疲れにくく、海で流されてなくしてしまっても天然素材のため、自然に分解されるという。ビーチサンダルを仕入れる際は、「環境に優しい素材」「履き心地の良さ」「ある程度オシャレ」の三つの条件を大切にしている。

     県立各務原高校を卒業後、米国に留学して経営学を学び、帰国して電子部品メーカーに就職した。高校時代から「起業してみたい」という夢があった。27歳の時に地元に戻り、スポーツ用品店を営む父の元で仕事を手伝い、2008年にアウトドア商品の分野を買い取って、独立した。

     仕事の方向性が見つからずに悩んでいた時、「何かに特化した方がいいよ」と知人に言われてひらめいた。「世界中のビーチサンダルを集めたら、面白いんじゃないか」――。各国のメーカーにメールを送り、サンプルを送ってもらい、たくさんの商品を取り扱うようになった。今は、「夏に1年分稼ぐ」と夏場に営業に出かけ、冬場は海外で打ち合わせしたり、商品の構想を練ったりしている。

     今でも、大切にしている思い出がある。子どもの頃の夏休みに近所の川でビーチサンダルを履いて魚を捕ったことと、米国・カリフォルニア州で留学時に、教授が半袖、短パン姿でビーチサンダルを履いて講義をしていた姿だ。いずれも、何かに縛られず、自由な印象だった。

     「『なぜ、海のない岐阜県でビーチサンダルを売っているの?』『冬は、一体何をしているの?』とよく聞かれる」と苦笑いしながらも、今後は「環境に負担をかけず、全て自然の物で作ったサンダルの開発やオリジナルブランドを生み出したい」と意気込む。将来、ビーチサンダルを履いた人が、日本の街中にあふれるような、自由な社会を夢見て。(大井雅之)

    ◇各務原市在住。休日にはビーチサンダルを履いて、川に魚釣りに出かける。「ゴムの木農園」は各務原市蘇原栄町1の31。取り扱っているビーチサンダルは、1000円台から。問い合わせは、058・371・0577。

    2017年05月22日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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