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    4コマ漫画の出版が決まった県美術館管理業務専門職 西村友里(ゆり)さん(31)

    • 4コマ漫画「ミュージアムの女」を描く県美術館の西村友里さん
      4コマ漫画「ミュージアムの女」を描く県美術館の西村友里さん
    • 「ミュージアムの女」第5話(県美術館提供)
      「ミュージアムの女」第5話(県美術館提供)

    ◆美術館裏話猫で描く

     美術展の壁際で、じっと座っている監視業務。県美術館(岐阜市宇佐)で監視や受け付け業務の傍ら、美術館の裏話などを4コマ漫画「ミュージアムの女」で描いている。

     ツイッターなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で発信を始めて1年弱。「美術館に行きたくなった」などと反響は大きく、大手出版社から今秋に出版されることが決まった。

     先月までにSNSで50話を発信したのを機に、漫画専用サイトに舞台を移した。今後は県美術館の所在地にヒントを得た「宇佐江みつこ」のペンネームで、隔週で10話ずつ発表を続ける。これをまとめて本にする予定だ。

     「SNSの拡散力にびっくりしています。公立美術館は堅いイメージですが、ほんわかしていて、ゆるい感じの漫画に面白みを感じてもらえたのでしょうか」

     漫画の主人公は、擬人化した猫。「無表情で座り、話しかけられれば案内する監視係」のイメージを猫に託した。

     服装や気遣い、睡魔、抽象画の見方など、何げない話題がテーマ。学芸員との違いや、館内で発見した虫はすべて捕らえて報告する、メモを取りたい人のために鉛筆を用意しているなど、監視係ならではの裏話が登場する。

     ネタが見つかればメモを取り、自宅に戻って、毎日のように作品に向かう。

     実際の監視係の仕事は、「けっして退屈ではない」という。「動かないようにはしていますが、来館者の話し声や飲食、カメラ、作品への接触など、絶えず気を使っています」

     小さな頃から絵を描くのが好きだった。昨春、地元情報誌に美術館情報を掲載したのがきっかけとなり、4コマ漫画を描き始めた。

     周囲の評は「真面目」。今後の抱負について「漫画を難しくしすぎないように気を付け、県美に一人でも多くの人が来てもらえるきっかけになれば」と、優等生の答えが返ってきた。(宮崎亨)

    ◇名古屋市出身。東邦高校美術科、金沢美術工芸大学油画専攻を経て、「高校時代から好きだった」県美術館に就職した。好きな画家はフランスのルドン。SNSは苦手で携帯も「ガラケー」。投稿は同僚が担当している。

    2017年06月05日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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