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    有料酒蔵見学ツアーを企画する 木元茜(あかね)さん23

    ◆日本酒文化訪日客に

     飛騨市古川町の酒蔵「渡辺酒造店」の若手社員だ。増え続ける訪日外国人向けに、有料の蔵見学ツアーの企画を任された。単なる酒蔵見学に終わらず、奥深い日本酒文化をどう伝え、楽しんでもらうか。試行錯誤が続く。

     高山市国府町出身。大学を1年休学し、海外で日本語を教え、日本の文化を伝える仕事に興味を持った。就職ガイダンスでは、同店の米国人蔵人から、「日本酒を海外に売り込みたい」という話を聞き、「日本酒を通して日本文化を伝えたい」と猛アピールした。

     今年4月に入社したが、「日本酒はほとんど口にしたことはなく、地元の酒について何も知らなかった」。ところが研修で酒造りを体験、米とこうじの混ぜ合わせや温度調整など、生き物を扱うような不思議な世界に感動した。

     外国人向けの有料酒蔵見学ツアーは、来春に本格スタートする予定だ。先月からはモニターツアーを実施、アンケートで意見などを集めている。

     酒蔵見学では、これまで外部には公開していなかった裏側まで見せ、座敷へ案内し、畳の上でワイングラスで日本酒の色や香りをゆっくり味わってもらう。土産用の酒瓶(300ミリ・リットル)には、オリジナルラベルを描き、貼る体験もしてもらう。

     「モニター参加者を見ると、アジア圏と欧米のお客さまでは、味の好みが違う。吟醸、純米などお酒の種類や、スパークリングも組み合わせて、様々な日本酒を紹介したい」と話す。

     ツアーコースは、1000円~1万円程度で3種類設け、食事付きプラン(飛騨牛)も用意してみたいと、アイデアが膨らむ。酒造り体験をしたいとの声もあり、模擬体験ができないか思案中だという。

     同店の渡辺隆専務(42)は、「とにかくやってみることが大切。彼女の語学を生かした仕事により、外国人向けツアーが誕生し、この地方を牽引けんいんするような存在になってもらいたい」と期待を寄せる。

     「失敗はできない」との緊張感はあるが、「自分がやりたい仕事を思い通りにやらせてもらえる」と喜びも。「今では日本酒の大ファン。朝まで飲んでも平気です」

    (川口武博)

     愛知県立大学外国語学部国際関係学科卒。大学を1年間休学し、カナダ、インドネシアへ留学、現地で日本語を教えた。「この会社に入社できなかったら、また外国へ行こうと思っていました。内定をもらったときはうれしかった」。趣味は旅行。高山市国府町で、両親と姉の4人暮らし。

    2017年07月03日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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