文字サイズ

    「宿敵」破り頂点導く 全国高校総体で初優勝の岐阜女子高校バスケットボール部監督 安江満夫さん 63

     全国高校総体決勝の愛知・桜花学園戦では、身長1メートル90のセネガル人留学生バイ・クンバ・ディヤサン選手(3年)が40得点28リバウンドと大活躍。相手選手がボールを持った瞬間、素早く詰め寄ってパスやシュートを封じ、6連覇を目指した女王に、61―55で完勝した。

     「桜花に勝つためのバスケットボールを続けてきた。桜花に一番負けたから、強くなれた」。着任から約40年。県勢初の快挙を成し遂げた選手に熱いまなざしを向け、目を細めた。

     バスケットボールの名門・岐阜農林高を卒業後、大東文化大に進学。4年生ではインカレにも出場したが、身長約1メートル70と、選手としては小柄だった。

     指導者を志したのは、大学在学中に身長1メートル90の先輩を指導したことがきっかけだ。長身をいかせずにいた先輩がどんどん力を付けると、チームも白星を重ねていったという。

     実業団の誘いを断り、岐阜女子高に社会科教諭として着任。だが、「当然あると思っていた」バスケ部はなく、1977年に同好会を設立した。熱心な指導の成果もあり、89年には、高校総体に初出場を果たした。

     強豪校に成長した背景には、隣県の桜花学園の存在がある。高校総体、国体、選抜大会の高校3冠を幾度も手にし、世代別の日本代表選手もいる「スター軍団」。合同練習や練習試合を組んで胸を借り、力を付けた。

     2000年の岐阜県での高校総体開催が決まると、体格で劣っていたチームの状況を打破するため、中国から長身選手を留学生として迎え入れた。「世界を見れば、多国籍のチームは当たり前。若いうちから外国人の選手とプレーすることで、周囲の日本人の子どもたちも人間的にも成長できる」。桜花学園についても互いに「宿敵」と意識するようになり、この頃から合同練習もしなくなったという。

     07年には守備に力を入れたチームを育て、高校総体で初めて決勝に進出。外国人留学生を軸に据えた、強固なディフェンスは、岐阜女子の伝統となり、今大会の快挙につながった。

     目標は、国体、選抜大会との3冠だ。そして、「岐阜のバスケ界を盛り上げていくことが自分の課題」という。「『本気で勝ちたい』という指導者が県内から出てきてほしい」。指導者には、いつでも練習は公開している。(古和康行)

     東白川村出身、瑞穂市在住。妻の幹子さん(61)と2人暮らし。趣味はスポーツ観戦。「勝負事は種目を超えてバスケに生かすことができる」という。教え子に、リオデジャネイロ五輪・女子バスケットボール代表の王新朝喜あさこ選手らがいる。

    2017年09月04日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP

    理想の新築一戸建て