文字サイズ

    夢は泊まれる古本屋 恵那市移住定住コンシェルジュ 中田実希さん 27

     恵那市の「地域おこし協力隊員」として2016年10月に採用され、市外からの移住希望者に対し、空き家バンクに登録された物件をあっせんする仕事などを担当。8月29日からは、恵那駅近くにオープンした「恵那くらしビジネスサポートセンター」で、移住、定住の相談員(コンシェルジュ)を務める。

     まだ開設されたばかりだが、「移住、定住のためには、職場を見つけることも大事。あらゆる相談に応じることができるセンターを、少しでも充実させていきたい」と意気込む。

     自身も東京からの移住者。大阪の大学を卒業後、東京で講演会を企画するイベント会社に就職した。「仕事は楽しかったけれど、あまりに多い人に疲れ果て」、16年3月、恋人の住む隣の中津川市に移り住んだ。

     小さい頃から読書が好きだった。4人きょうだいの一番上。「いい子でいなきゃ、という気持ちから逃れるために、読書に没頭していました。大げさかもしれませんが、本がなくては生きていけない、ぐらいの思いでした」と振り返る。

     移住して半年間、何をするか考えた。たどり着いたのが、「田舎で古本屋を始めること」。「ベストセラー以外の本に出合える場がない。田舎の庭を開放して、多くの人が本に出合える場所を作りたい」

     だが、見ず知らずの土地で、人脈もお金もなかった。そんな時に協力隊員募集を知り、「仕事をしながら、自分の住む家探しもできる」と応募。面接では「空き家バンクの調査をしながら、古本屋ができる物件を探すことが応募の目的」と正直に打ち明け、採用された。

     何件か空き家をあっせんした。空き家バンクで求めていた家を見つけ、定住に至った時はうれしかったが、地域の人となじめず、出ていったケースもあり、移住、定住の難しさも知った。

     協力隊員の任期は19年3月まで。それまでに、自分が納得のいく家を探すのが目的だ。

     今年1月には、出張古本屋「庭文庫」を始めた。月に1、2回、イベントなどで古本を販売する。「将来は、老若男女が本との出合いに胸をときめかす場所作りをしたい。『泊まれる古本屋』が究極の目標」と目を輝かせた。

    (松原輝明)

     那覇市生まれ。休日には最近始めた藍染め教室に通ったり、草木染を行ったりするが、「子どもの頃から好きだった読書で過ごすことが多い」。志村ふくみさんらのエッセーが好き。お気に入りは日本画家東山魁夷のエッセーで、「絵もいいけれど、言葉もすごくすてき」という。

    2017年10月30日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP

    理想の新築一戸建て