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    [選抜甲子園]計算通りに盗塁阻止

    • 集中力を切らさず相手の盗塁を阻止した多治見の山田捕手(右)
      集中力を切らさず相手の盗塁を阻止した多治見の山田捕手(右)

     五回二死一塁。多治見の山田智也捕手は、マスク越しに一塁走者・小園海斗選手の動きを見て「走ってくるに違いない」と確信した。そして、思った。「走って来い」

     準備は出来ていた。小園選手が打席から一塁を駆け抜けるまでの時間は「3・88秒」。試合中にベンチの仲間にストップウォッチで計ってもらった。文武両道を掲げる同校で、数学の成績はトップクラス。計算が得意でアウトにするための道筋を立てた。

     まずは走者のリードを抑えるため、マウンドの柘植慶司投手にけん制を指示。1ボールからの2球目、要求通り、外角高めに直球がくると、腰を浮かせながら捕球し素早く送球。審判の右手が高々と上がると、スタンドから大きな歓声がわき上がった。

     一方的な展開にも「普段なら対戦できないようなすばらしいチーム。何かひとつでも持ち帰ろう」と、グラウンドの選手に声を掛け続け、ワンプレーにかける集中力は切らさなかった。

     21世紀枠での出場が決まった際は、うれしさよりも驚きが先だった。厳しい結果だったが、「盗塁を阻止したとき、歓声の迫力がすごくて鳥肌が立った」。甲子園で思い通りのプレーができたときの気持ちよさを知った今、「もう一度プレーしたい」と強く思った。(岩本康佑)

    2017年03月21日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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