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    「地域森林監理士」県が創設

    民有林管理で所有者、行政に助言

    • 研修を受ける受講生たち
      研修を受ける受講生たち

     森林の所有者や自治体職員らに管理や活用の方法をアドバイスできる「県地域森林監理士」という資格を、県が今年度、独自に創設した。民有林の管理を定めた法律が4月から厳密になったこともあり、広大な森林を抱える県は、広い知識を備えた人材が不可欠と判断した。現在は資格取得のための研修が行われている。(古和康行)

     研修は6月下旬、県立森林文化アカデミー(美濃市曽代)で始まった。開講式に臨んだ受講1期生の5人は、林業会社の元社長や県森林公社の職員など、その道の専門家ばかり。岐阜市で林業関係の会社を営む楢崎達也さん(43)は「より幅広い知識を身につけたい」と意欲を語った。

     12月までに計10日間実施される研修で、森林の整備計画作成、木材の市場調査、野生動物の保護、防災などを計80時間学ぶ。1期生たちはすでに、半分以上を受講した。資格の認定試験は12~1月に予定され、筆記による1次試験、小論文と面接の2次試験がある。研修を修了すれば1次試験が免除になる。

     県はこれまでも「県森林経営プランナー」や「森林総合監理士」といった資格を設けて専門家を養成してきた。県地域森林監理士は、より幅広い分野に精通し、専門家たちのまとめ役となる。民間事業者と一緒に民有林の経営計画を練るほか、森林経営計画の審査や伐採届の確認などで行政を手助けする働きも期待される。

     県林政課によると、県内には、面積約68万2000ヘクタールと全国で4番目に広大な民有林が広がる。だが担当者によると、近年は林業従事者の高齢化と後継者不足の影響で「所有者が分からない森林が出てきている」という。民有林の伐採は、所有者から森林組合が委託されるなどして行われているため、所有者のあいまいな森林から木を切り出すことはできず、伐採できる森林との境目も分かりにくい。これが、森林管理の妨げになっているという。

     4月に施行された改正森林法は、所有者や面積などを明記した「林地台帳」を全国の市町村が整備して公開することを、2019年4月からの義務としている。自治体の職員は数年ごとに人事異動で勤務部署が変わるため、改正法に適応できるほどの幅広い専門知識を身につけるのは難しい。こうした事情で、外部のアドバイザーを求める声が高まり、新資格が設けられた。

     県林政課の担当者は「効率的な森林経営ができるよう、各市町村に県地域森林監理士の人材を紹介したい」と話している。

    2017年08月10日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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