文字サイズ

    岐阜和傘、触れて買って…町家改装し専門店

    共同工房も併設

    • オープンした岐阜和傘の販売スペース。和傘がずらりと並ぶ(岐阜市で)
      オープンした岐阜和傘の販売スペース。和傘がずらりと並ぶ(岐阜市で)

     最盛期には月100万本以上が生産された岐阜和傘の伝統を守ろうと、岐阜市のNPO法人が、同市湊町の長良川沿いにある町家を改装し、和傘専門店「長良川てしごと町家CASA」をオープンさせた。共同工房も併設し、制作過程も見せることで、岐阜和傘の文化の発信を目指す。

     CASAは、同市のまちづくりNPO法人「ORGAN」が、約460平方メートルの築100年を超える空き家の町家を、約1750万円をかけて改装した。費用の一部はクラウドファンディングでまかなった。

     今月12日にオープンしたのは、岐阜和傘の販売店と、和傘の材料となる美濃和紙で作ったちょうちんのショールームなど。一部はまだ工事が続いており、和傘職人の共同工房などは6月末までのオープンを目指す。共同工房が開設されれば、岐阜和傘を「見て、触って、体験して、買える」システムがそろうという。

     岐阜和傘は、同市加納地区が主要生産地。1639年に加納藩主となった松平氏が、明石(兵庫県)から傘職人を連れてきたことが始まりだという。その後、1760年頃に当時の加納藩主が、困窮する藩士の内職として和傘作りを奨励し、地場産業として盛んになった。

     最盛期は戦後間もない昭和20年代。約600軒の製造業者によって月100万本以上が生産されたが、洋傘の普及によって需要が減り、現在では製造業者は数軒を数えるのみという。

     ORGANの蒲勇介理事長は「空き家活用のモデルとなり、若い職人が仕事を続けていけるような仕組みを作り、和傘文化をもう一度盛り上げていきたい」と抱負を語り、10年後には、岐阜和傘を10億円の産業に育てる目標を掲げた。

     オープン当日にも駆けつけた柴橋正直市長は「本物志向の観光へ向け、市外からも評価される岐阜市を作るべく、ともにがんばっていきたい」と話した。

     CASAは、岐阜市湊町29。営業時間は午前11時~午後6時で、火・水曜定休。(増実健一)

    2018年05月17日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP

    理想の新築一戸建て