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    <5>「ご縁」20年 常に新鮮

     ◇安佐南区のタクシー会社に勤務 スコット・マッキーマンさん(カナダ)

    • 「外国人だからこそわかる広島の良さもある」と語るスコット・マッキーマンさん(広島市安佐南区で)=近藤誠撮影
      「外国人だからこそわかる広島の良さもある」と語るスコット・マッキーマンさん(広島市安佐南区で)=近藤誠撮影

     広島市安佐南区の郊外にある第一タクシー本社。昨年12月中旬のある朝、駐車場で大型の乗り合いバスを点検していたのは、カナダ・カルガリー出身のスコット・マッキーマンさん(44)だ。人手が足りない時は工場や事業所への送迎バスの運転手を買って出る。社長室長としての事務も多い。「年末調整とか忙しい」とぼやく姿は多くの日本のサラリーマンと重なる。

     広島に住んで20年。15年前に日本人女性と結婚し、息子は中学生、娘は小学生となった。ご当地検定「ひろしま通」の試験にも受かり、自称「日本一の広島好きなカナダ人」

     そんなスコットさんも、カナダにいた頃は、学校で習った「原爆の被害に遭った都市」くらいの知識しかなかった。

     1993年、働きながら滞在するワーキングホリデー制度を利用して初来日した。

     広島に来ることになったのは偶然だ。来日した直後は群馬県のスキー場に勤務した。旅行で全国を巡る途中、94年に広島を初めて訪れ、驚いた。原爆投下で廃虚となった町とは思えないほどのにぎわいだったからだ。その夜、泊まったユースホステルでは、被爆者から、70年前のあの日の話も聞くことができた。復興を遂げた広島という地域や人の力強さに関心を持った。

     翌95年、当時の文部省が募集した国際交流員に応募した。面接では漢字が読めず、落とされたと思っていたところに合格連絡が来て、命じられた派遣先が広島市だった。

     外資企業誘致の職員として3年働いた後、カナダの広島通商事務所の代表となった。これもたまたま、新しく事務所を開設するから働かないか、と声を掛けられたためだ。現在はタクシー会社に勤務するかたわら、300人が加盟する広島カナダ協会の事務局長を務め、インターネットを通じて、広島の情報を発信している。

     友人から贈られ、いつも持ち歩くキーホルダーには「思うようにいかないもの。だからおもしろい」と記されている。「『ご縁』って不思議ですよね」

     外国人だからこそ、わかる広島の良さを感じている。

     ある日、広島で町の本屋に寄った際、創業がカナダ建国の1867年とほぼ同じだと知り、歴史の古さに驚いた。「日本人から見ると普通のことでも新鮮に感じる」

     日本、広島に来たからこそ、カナダの良さもわかるようになった。「若い日本人には海外に出てほしい」と願う。きっとふるさとの良さがわかるはずだから。(田畑清二)

     ◇どんなとこ?

     カナダ西部のアルバータ州にある内陸の都市です。州の面積は日本の2倍近い広さがありますが、人口は広島県くらいしかいません。夏は最高気温が30度を超える一方で、真冬には最低気温が氷点下40度くらいになることもあります。ロッキー山脈が近く、雄大な自然を満喫できます。

     オススメはキングサーモン。バターとレモンのホイル焼きは絶品です。脂肪分が少なくて軟らかいアルバータ牛もバーベキューなどに最適ですよ。

    2016年01月06日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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