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    一流ランナーと同じ体験

     ◇料理旅館「玉乃家」(世羅町)

    • トレイルランニングのコースの一部(世羅町で)
      トレイルランニングのコースの一部(世羅町で)

     老舗料理旅館「玉乃家」(世羅町)が昨年11月から、新たな食事付きサービスの提供を始めた。

     京都で修業した稲田嘉明代表(49)が料理にこだわり、過去には皇太子さまが宿泊されたこともある老舗だが、売り上げは伸び悩んでいた。理由は「新たなメニューを開発しても、一過性で終わってしまう」からだ。

     宿泊客も減っていき、負のサイクルから抜け出すために、地場産品を活用して新商品を売り出したいとのことだった。

     しかし、正直に言うと新商品だけでは、世羅にわざわざこないだろうと思った。もっと顧客を引きつける「何か」が必要だ。

     聞いていると、近くには走りの神様「韋駄天いだてん」をまつる修善院があり、シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんらのシューズが奉納されているという。ランニングコースもある。玉乃家では第94回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で4連覇を果たした青山学院大も過去に合宿したという。

     ランニングという切り口で世羅や玉乃家を見つめ直すと、ほかにはない魅力と資源がいっぱいだ。ランニングファンは広がっている。トップランナーたちが練習したコースや味わった料理を体験できるとしたら、それは来訪の強い動機付けになるのではないか――。

     「全国高校駅伝でアベック優勝の経験もある世羅高、同校出身の原晋監督が率いる青学とも縁がある。ランナー専用のサービスを提供してみては」と投げかけてみた。そうして生まれたパッケージプランだ。

     数々のトップランナーを輩出してきた陸上の町を舞台に、修善院で座禅を体験。マイシューズや健脚の祈願を行い、芦田川沿いやトレイルランニングのコースを走った後、玉乃家でトップランナーも食べたという町内産の米や豚肉、野菜などを使った高カロリーの料理を味わうことができる。

     地元の観光協会や修善院とも連携して取り組むことができるのも強みだ。玉乃家を起点に活性化につなげることができる。

     ランニングもうでが新たな風を吹かせてくれることに期待したい。

    (センター長・高村亨)

    • 期間限定で提供される青山学院大の選手たちも食べたというすき焼き
      期間限定で提供される青山学院大の選手たちも食べたというすき焼き

     ◇メモ 料金は日帰り6500円(税抜き)と宿泊9500円から(同)。修善院のお守りも付く。メニューは青学の選手が合宿中に食べた町内産牛肉を使ったすき焼きで3月末まで。その後は季節に応じた料理が出る。稲田代表は「多くのランニングファンの方に地域の魅力を丸ごと体験してもらい、走ることも食事も楽しんでいただきたい」。予約、問い合わせは玉乃家(0847・22・1161)。

    2018年03月19日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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