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    老化した卵巣機能 改善

     ◇広大などマウスで成功 ホルモン抑制薬投与 不妊治療期待

     広島大などでつくる研究グループが遺伝子を改変したマウスを使い、加齢に伴って妊娠率が低下するメカニズムと、老化した卵巣機能を改善する方法を見つけたと発表した。今後、不妊に悩む女性への治療の一助となることが期待できるという。論文は、英医学誌「エイジング・セル」(電子版)に掲載された。(松田祐哉)

     同大学大学院生物圏科学研究科に所属する島田昌之教授らの研究グループは、排卵時に卵巣が炎症状態になることに注目。年齢とともに排卵を重ねることで慢性的な炎症状態になり、卵巣機能が低下すると仮定して研究を始めた。

     遺伝子を改変したマウスを使い、排卵回数を増やした結果、マウスは妊娠しなくなった。その卵巣を分析したところ、脳下垂体から分泌される「性腺刺激ホルモン」が過剰となり、卵巣組織が硬くなる「繊維化」が起きていることが判明した。卵巣内の血流が悪くなることでホルモンが十分に行き届かなくなり、受精前の卵胞が発育しづらくなっていたという。

     対策として、研究グループは卵巣が繊維化して妊娠しなくなったマウスに性腺刺激ホルモンの分泌を抑える薬を8日間投与した。投与中止後、卵巣組織が軟らかくなり、再び妊娠するようになった。

     島田教授は「人でも同じ現象が起きていると考えられ、年齢を重ねた女性の不妊治療への応用が期待できる」と話している。

     聖マリアンナ医科大病院の河村和弘・生殖医療センター長の話「加齢による不妊の原因は卵子の老化もあるが、卵巣に着目した点は非常に画期的と言える。ただ、マウスで成功したことが人にも応用できるかは今後の課題となる」

    2017年09月14日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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