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    島清恋愛文学賞 受賞2人喜びの声

    • 藤田選考委員(左)に対して受賞作に込めた思いなどを語った山崎さん(金沢市のしいのき迎賓館で)
      藤田選考委員(左)に対して受賞作に込めた思いなどを語った山崎さん(金沢市のしいのき迎賓館で)

     ◆山崎さん「文学のドア広がった」 乙川さん「ごほうびのよう」

     第23回島清しませ恋愛文学賞の贈呈式が20日、金沢市のしいのき迎賓館で行われ、受賞作「美しい距離」(文芸春秋)の著者・山崎ナオコーラさんに賞状や副賞が贈られた。同じく受賞した「ロゴスの市」(徳間書店)の著者・乙川優三郎さんは体調不良で欠席し、作品の担当編集者が代わりに受け取った。

     選考委員の藤田宜永さんが冒頭、男性翻訳家と女性通訳者のひかれあう姿を描いた乙川作品を「翻訳への解釈や思いを書くことに力が注がれていた。真摯しんしにきちんと書かれたたたずまいのいい小説」と講評。がんに侵された妻との日々を夫の目線でつづった山崎作品については「悲壮感を持って書かれるところを淡々と書く力量があった。生々しい話がいい意味でふわっと書かれていて、そこに悲しみが浮かんできた」とたたえた。

     時代小説で知られる乙川さんは近年、現代小説を続けて発表しており、現代小説の長編では2作目となる本作で受賞。担当編集者である徳間書店の国田昌子さんが「鈍足の作家の野放図な挑戦に対するごほうびのようで、とても光栄です」とコメントを代読した。

     山崎さんは2004年に文芸賞を受賞してデビューし、今回はそれ以来13年ぶりの受賞となる。受賞作は、3年前に父親をがんで亡くしたことを機に執筆。式では、「死をテーマに書いた小説で恋愛小説を対象とする文学賞を受賞でき、文学を考える時のドアが大きく広がった。これからはもっと自由に文学に取り組みたい」と喜びを表した。

    2017年03月21日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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