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    自宅改装で無料宿泊所

    大槌の八幡さん ボランティア 拠点に

    • 無料の宿泊所を作った八幡さん(2日、大槌町で)
      無料の宿泊所を作った八幡さん(2日、大槌町で)

     東日本大震災の津波で自宅と経営する食料品店が大きな被害を受けた大槌町桜木町の自営業、八幡幸子さん(62)が、所有する家を無料の宿泊所に改装し、被災地支援ボランティアらの受け入れを続けている。温かく世話好きな人柄から「お母さん」と慕われる存在だ。(松本健太朗)

     津波が押し寄せた時、八幡さんは店舗「ファミリーショップやはた」の2階にいた。夫は障害があり一緒に逃げることはできず、津波にのまれることも覚悟したが、浸水は鉄筋一部木造2階の1階部分で止まった。逃げ遅れた住民4人を2階に助け上げたものの、津波でずぶぬれになった1人はその夜、亡くなった。

     「悔しくて悔しくて仕方なかった。『助けられなかった』という思いを復興にぶつけようと思った」

     避難所で生活しながら、近所の泥出しを手伝い、残った商品を避難所で配った。2011年6月には店舗を直し、隣の自宅2階にボランティアを泊めるようになった。ボランティアの人脈を使って冷蔵庫やテレビなどの支援物資を集め、周辺住民に配った。「自宅が残った被災者は支援を受けられず、取り残されていた」からだ。

     宿泊施設不足が問題になっていたため、昨年5月には、近くにある別の木造2階の家を改修し、ボランティアや大工ら向けの無料宿泊所をオープンした。

     津波で2階まで浸水した家の改修費用300万円は、生命保険を解約するなどして捻出した。布団や枕などは京都の旅館からもらった。風呂、トイレ付きで洗濯機も使える。ボランティアには無料で三食を振る舞うなど至れりつくせりだ。約40人が宿泊でき、これまでに延べ300人以上が被災地支援の拠点にした。

     埼玉県内の工務店から初めて被災地に来た平沼友多加さん(29)は、10月中旬から泊まっている。「親切で、まるでお母さんみたい。よくしてもらって仕事に張りが出ます」と笑顔で話した。

     利用者は途絶えたことがなく、八幡さんは毎日午前4時に起きて、食事の用意を始める生活を続けている。「私はただのおせっかいおばさん。大好きな自分の町は自分たちで復興したい」

    2013年11月16日 00時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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