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    水産復活イカ王子奮闘 ブログで海産物売り込み

    • 3月に完成した新工場の前で人気商品を手にする鈴木さん(18日、宮古市で)
      3月に完成した新工場の前で人気商品を手にする鈴木さん(18日、宮古市で)

     ◇宮古の鈴木さん

     東日本大震災で水産業に大きな被害を受けた宮古市で、三陸の海の幸の魅力を発信しようと奮闘する青年がいる。創業29年目の「共和水産」専務の鈴木良太さん(32)。台湾での商談を成功させるなど海外進出にも積極的で、「宮古の旬を売り込んでいきたい」と意気込んでいる。

    (阿部明霞)

     共和水産の主力は、三陸沖で水揚げされるスルメイカの加工品。鈴木さんは約10年間、営業や商品開発などに携わっている。

     震災では大槌町内にあった冷蔵施設が被災し、原材料などが流失した。宮古市内の本社や加工場は無事だったが、原材料となるスルメイカの水揚げがなく、売り上げは震災前の3分の1に落ち込んだ。

     海まで車で5分で行け、捕れたての新鮮なイカを加工できる――。震災前は当たり前と思っていたが、実は幸せな環境に恵まれていたことを実感した。

     「宮古は傷ついてしまったが、生まれ育った大好きな町。もっと貢献したい」

     被災地の若い世代が頑張っている姿を全国に伝えようと、ホームページを開設し、2011年末にはブログも始めた。

     注目を集めようと、ブログでは「イカ王子」を名乗って海産物を売り込んだ。従業員も、商品や加工作業の様子などを写真を使って積極的に紹介。「人に紹介できないような部分をなくそうとした結果、社内の透明性を高めることにもつながった」という。

     効果はすぐに表れた。取引企業が増え、インターネット通販も始めた。「イカ王子」の知名度は、今や商品名の一部になるほどだ。

     ◇他社と協力、海外進出へ

     「水産業が衰退する時代には、他社と足を引っ張り合ってはいけない」と考え、市内の30~40歳代の同業者との協力も検討。市内の水産業者に声を掛け、原材料の選定、加工・製造、営業・販売をそれぞれ手分けして行う仕組みを考案した。売り上げは13年に震災前の水準を取り戻し、今年3月には藤原地区に工場を新設した。

     業績回復は順調だったが、満足はしなかった。目を付けたのは海外だ。今年6月、大手企業の補助金を受け、4社合同の「宮古チーム漁火いさりび」として、台湾最大級の国際総合食品見本市「フード台北」に出展。商談が成立し、7月には県産ウニを試験出荷した。

     「一つだと小さい火が、集まれば明るく温かくなる。震災をきっかけに始めた活動だが、みんなで地元の水産業を活性化させたい」。「漁火」の名前には、鈴木さんのそんな願いが込められている。

    2014年08月02日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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