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    コミュニティー維持 課題

    • 仮設団地内では、フラワーアレンジメントを通じた住民交流も行われている(27日、釜石市の平田第6仮設団地で)
      仮設団地内では、フラワーアレンジメントを通じた住民交流も行われている(27日、釜石市の平田第6仮設団地で)

     「こんにちは。血圧はどうかな」。27日、釜石市の平田第6仮設団地。手狭な1DKに住む沢田和三さん(59)方に、団地内のサポートセンターのスタッフが訪れ、声を掛けた。

     沢田さんは東日本大震災の5か月後、避難先の知人の家で心筋梗塞で倒れた。仮設団地に入居後は、布団の上げ下げも控えるほど、体に負担がかからないようにしている。それでも今年5月、心臓発作で救急搬送された。

     現在の仮設団地はお年寄りや持病のある人に見回りが行われているので安心感はある。しかし、いざという時に近くに病院はない。

     「病院の近くに住みたい」という気持ちが募り、同市野田地区の復興住宅に応募。今秋には50平方メートルの広々とした1LDKに移れることになった。ただ、不安は残る。「復興住宅では、今のようなサポートは受けられないかもしれない。知り合いもいなくなり、孤立してしまうのではないか」

     同市上中島の復興住宅への入居抽選に当たった真藤賢児さん(76)は、「早く移りたい」という思いがある一方、後にする仮設団地の運営に不安を感じている。

     真藤さんは仮設団地内の自治会の副会長。防犯のための街灯整備や、看板設置などを会長と一緒に行政に伝えてきた。「自治会の中心になる人が抜けていくと、仮設住民と行政との連絡がうまく行かない場面が出てくるかもしれない」

     移転先の復興住宅はマンションタイプだ。「長屋のような仮設住宅では、お茶会や自治会役員の集会などで、定期的に連絡を取りあっていた。でも、復興住宅に移ったら、また一から近所づきあいを始めないといけない」と不安を感じる。

     1995年1月の阪神大震災で被災した兵庫県でも、仮設団地から復興住宅に移る際に、コミュニティーの維持が課題になった。

     同県では、仮設団地の外部に住む民生委員らを「生活支援アドバイザー」に指定し、行政とのつなぎ役になってもらった。自治会役員などが抜けても、継続的な支援ができるようにする取り組みだ。

     復興住宅への本格的な移住が始まる移行期には、社会福祉系の資格を持った人などを「生活復興相談員」に指定。復興住宅内の交流を促すつなぎ役になってもらい、自治会が動き出すためのサポートを目指した。

     岩手県は、これらの事例を参考にした取り組みに加え、被災者の移転先となる復興住宅のコミュニティーづくりのために、市町村に補助金を出す「復興住宅ライフサポート事業」(約2億円)を今年度予算に計上した。ただ、市町村からの申請はまだない。

     自治体側は「仮設を出た後も継続的な対応が必要になる」(野田村)などとみているが、具体的な動きは出ていない。県や自治体には対応が後手に回らないよう、先を見据えた被災者の支援が求められている。

    (「復興を問う」取材班)

    2013年06月28日 00時41分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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