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    【センバツ】元4番の意地とプライド

    • 本塁打を含む2安打2打点で存在感を示した松田選手=大石健登撮影
      本塁打を含む2安打2打点で存在感を示した松田選手=大石健登撮影

     寝かせて構えたバットをボールにぶつけるように思い切り振った。放たれた打球は、レフトのはるか頭上を越えた。強打を誇る盛岡大付打線の中で、ラストバッター松田夏生選手が、その存在感を強烈に示した。

     野球を始めた小学生から打撃が得意で、ずっと主軸だった。昨夏は岩手大会でベンチ入りしたが、甲子園ではスタンドから試合を見つめた。悔しさをバネに新チームになってからは、毎日のように居残り練習で2時間以上バットを振り、昨秋は4番の座を射止めた。それだけに人生初の「9番」はショックだった。

     最初の打席が回ってきたのは同点の二回。集中して右打席に入り、初球の変化球を見逃さずレフトスタンドにたたき込んだ。五回にもライト線に勝ち越しの三塁打。元4番としての意地とプライドを見せた。

     この時期、多くの選手が着るアンダーシャツを身に着けずプレーする元気印。日頃から一発芸で部員を和ませ、大会前に開かれた激励会では、わんこそばを次々と勢いよくかき込み、会場の笑いを誘った。ムードメーカーの打撃に引っ張られ、チームは15安打。関口清治監督は「打線はよく打ってくれた」と評価した。

     打順については「どこでも役割を果たしたい」と繰り返し、フォア・ザ・チームを強調する。しかし、この日の結果が、何よりのアピールに違いない。

    (真島一郎)

    2017年03月21日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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