文字サイズ

    <番外編2>描いて気づいた魅力

    • 「作品を通して京都の街の魅力に改めて気づいた」と話す今井さん(東京都国分寺市で)
      「作品を通して京都の街の魅力に改めて気づいた」と話す今井さん(東京都国分寺市で)

     ◇京都舞台「古都こと」 今井大輔さん

    「 連載「マンガのこと」では、マンガ家を目指す京都の若者たちを紹介した。京都出身で、京都を舞台にした「古都こと」を連載中の今井大輔さん(34)の仕事場を訪ねた。

            ◇

     ――「古都こと」は京都で評判になっています。

     「それを聞いてホッとしています。京都を連載の舞台に選んだのは初めてでしたから。物語のほとんどは、京都精華大学時代の僕の体験を基にしています。とても自由な校風で、大学生活は人生で一番楽しかった特別な時間。作品には、学生時代によく遊んだ東寺や貴船神社が重要な舞台として登場する。脇役も実在の人物で、マンガを描くことで、記憶を追体験しているようです」

     ――デビューの経緯は。

     「大学を卒業し、マンガ家を目指して東京に出ました。居酒屋でアルバイトしながら出版社への持ち込みを続けていた時、偶然、自宅の近くにマンガ「沈黙の艦隊」の作者・かわぐちかいじさんが住んでいることを知り、仕事場に押しかけました。幸運にも原稿を見せてもらえ、忘年会にも声をかけていただき、その時にたくさんの編集者と出会えたことが大きかった。その後、雑誌デビューし、新人賞でも入選し、バイトを辞めて、マンガに集中できるようになりました」

     ――「古都こと」はどのような経緯から生まれたんでしょう。

     「編集者の間で京都を舞台にした作品の企画が持ち上がり、出身の僕に声がかかりました。連載前に10年ぶりに街を歩きましたが、京都を離れて初めて気づいたことはたくさんあった。著名な寺社仏閣や古い町家が生活の中に当たり前にある。作品の舞台としてすごく魅力的な街だと感じましたね」

     ――今、京都でマンガに関した様々な取り組みが行われています。

     「出身者として純粋にうれしいです。普段は意識しませんが、京都で培われた感覚が僕のマンガ家としてのベースにあると思います。今後も、観光の京都でなく、生活のにおいがする、ありのままの京都を、作品を通して伝えたいですね」

    (聞き手・白岩秀基)

     ◆いまい・だいすけ 1981年生まれ。京丹後市出身。「古都こと」は京都を舞台にした大学生のラブストーリー。男性視点の「ユキチのこと」が「ヤングチャンピオン」(秋田書店)で、女性視点の「チヒロのこと」が「漫画アクション」(双葉社)でそれぞれ連載中。同じ物語を2誌同時連載するのは青年マンガ誌では初の試み。

    2016年01月10日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP

    理想の新築一戸建て