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    絵で子どもにっこり

     ◇京都を拠点に活動するクリエイターユニット twotwotwo(ににに)

    • 芦田(右)と五座がイベントで創作の楽しさを伝える。子どもたちが笑顔になっていった(精華町で)
      芦田(右)と五座がイベントで創作の楽しさを伝える。子どもたちが笑顔になっていった(精華町で)

     「楽しんでいってください」と、芦田忠弘(37)が柔らかく声をかけた。子どもたちが思いのままに紙を切り、色を塗り、貼り合わせていく。五座朋子(32)が「どの色にする?」と手助けし、カラフルで独創的な帽子やメガネを仕上げていった。

     イラストを主に手がけるクリエイターの芦田、五座の二人によるユニット「twotwotwo(ににに)」が、精華町で毎月2回開いている子ども向けイベントの一コマ。「こいのぼりのうちゅうたんけん」「へんてこへんしんクリスマスパーティー」とテーマは季節や回によって様々で、子どもたちに大人気だ。

     二人の出会いは2015年春。五座が東京で開いたアニメ制作の催しだった。刺激を求め、作家のイベントを訪ね歩いていた芦田が客として参加した。

     芦田には、五座が自信なげに見えた。子どもを楽しませたい思いが空回りして、進行もバタバタとしていた。「見ていられない」。催しの後、「手伝わせてほしい」と申し出た。

     ◇

     芦田は幼い頃から絵本に親しんできた。社会福祉士や保育士として働いていた時、自ら読み聞かせをして改めて魅力に引き込まれた。福祉施設や地域の集会で、親子が笑顔になれるミニゲームなどのレクリエーションを開くように。その後、クリエイターとして独立した。

     五座は幼少から、父が譲ってくれた古いパソコンのマウスで絵を制作した。大学卒業後、給与計算ソフトなどを手がける東京の会社に入ったが、「描きたい」という思いが募り、退社して絵本制作会社を手伝うように。13年に独立。イラスト作成や飲食店のチラシのデザインをしながら、子どもの感性を知ろうと児童館や保育園で絵を教えた。

     絵で子どもを笑顔にしたい――。志が同じ二人は15年9月、ユニットを結成。名称は「2」を意味する「two」と、口角が「にっ」と上がるような楽しさを多くの人に与えられるように、との思いを込めた。

     ◇

     話し好きで主に交渉ごとを担う芦田、鋭い感性を表現する五座。二人はクリエイターの活動でも、刺激を与え合う。

     昨年には、芦田がロック歌手の企画に応募し、アニメでプロモーション映像を制作することになった。アニメをゼロから手がけるのは二人とも初めて。五座が描いたピエロの物語約2000枚をスキャナーで読み取り、芦田がパソコンで編集する作業を繰り返した。

     昨年5月、半年がかりで完成した約7分間の作品「しんぱいきのう」は、東京都立川市の商店街などが主催する映画祭で「アニメ部門優秀賞」を受賞した。これを機に、昨年11月には人気歌手で女優のシシド・カフカのミュージックビデオでアニメ制作を担当した。

     二人の思いは共通している。「これからも軸足は地元の精華町に置きたい」。16年2月からは、精華町内にオープンしたTSUTAYA精華台店で定期的にイベントを開き、最近は京都国際マンガミュージアム(中京区)でも催しを手がける。

     今春をめどにユニットを法人化し、「より活動の場を広げたい」。子どもがニコッとほほ笑む、そんな時間を創り出していく。(敬称略、道念祐二)

     あしだ・ただひろ 精華町出身。早稲田速記医療福祉専門学校卒。社会福祉法人や企業で福祉関係の仕事に携わった後、独立。妻、長男、長女と暮らす。

     ござ・ともこ 兵庫県芦屋市出身。関西大総合情報学部卒。IT企業やベンチャーの絵本制作会社を経て独立。ユニットのオフィシャルホームページ(http://twotwotwo.jp)。

    2018年01月29日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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