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    水陸両用バス 島原半島巡り〈4〉

    • 水しぶきを上げて海に入る水陸両用バス
      水しぶきを上げて海に入る水陸両用バス
    • 新たに整備された雲仙地獄の休憩所
      新たに整備された雲仙地獄の休憩所

    ◆ジオパーク 「もう一つの世界遺産」効果期待

     昨年11月、端島炭坑(軍艦島)などの世界文化遺産登録と同様、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の正式事業に格上げされた「世界ジオパーク」。2009年に国内初の認定を受けた島原半島では、「もう一つの世界遺産」として、その効果に期待が高まる。

     火山が生み出した美しい自然景観が広がる島原市内で昨年12月、県内では珍しい水陸両用バスが登場した。陸と海の両方から、ジオパークの景観を楽しめるユニークな観光ツアーが試験的に企画され、3日間で約400人が参加した。

     島原大変と呼ばれた江戸期の噴火で眉山が崩落してできたという島原湾の九十九島つくもじまを海上から、25年前の雲仙・普賢岳噴火で山頂に姿を現し、平成新山と命名された溶岩ドームを陸上から、それぞれ間近で見学できる。海に入る瞬間は大きく水しぶきを上げ、遊園地のアトラクションさながらの演出も楽しめる。

     参加者からは「海上からはこれまで見たことがない景色を楽しめた」などと好評。古川隆三郎市長は「費用面の課題がクリアできれば、島原の新たな観光ツアーとして期待できる」と本格実施に意欲的だ。

     隣の雲仙市でも昨年末、約1億2000万円をかけて再整備を進めてきた「雲仙地獄」の遊歩道などが完成。最も噴気が激しい「大叫喚だいきょうかん地獄」では、展望所の位置を噴気口に近づけ、蒸気の勢いを肌で感じられるようにした。休憩所の腰掛け椅子や地面も、地熱が体感できるような工夫が施され、火山地帯のジオパーク観光が楽しめるようにした。

     ジオパークを案内するガイドの育成も進んでいる。島原半島ジオパーク協議会では現在、約30人のボランティアガイドを育成。その1人、大町由紀さん(41)は島原で生まれ育った。普賢岳の噴火を経験したのは高校3年生の時で、「自然の恐ろしさとすごさを身にしみて感じた」と振り返る。

     半島の自然を学べる島原市の平成新山ネイチャーセンターで働く中で、湧き水や温泉といった島原の魅力の全てが火山の恵みであることを学び、3年ほど前からジオパークガイドを務めているという。「正式事業として認められてうれしい。より面白い情報を提供して観光客を呼び込みたい」と意気込む。

     島原半島では今年、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を構成する原城跡と日野江城跡(いずれも国史跡)の世界文化遺産登録も期待され、ジオパークとの相乗効果に熱い視線が注がれている。

     同協議会の平山慎一事務局長(54)は「島原半島3市が連携し、環境保全などの活動を世界遺産と同レベルに高めていきたい」と気を引き締める。

    【メモ】島原半島ジオパーク協議会のホームページでは、世界ジオパークを巡るモデルコースなどを紹介。観光ガイドやツアー、体験プログラムの問い合わせは島原半島観光連盟(0957・62・0655)へ。平成新山ネイチャーセンター(0957・63・6752)からは雲仙・普賢岳や平成新山を間近に望め、島原半島の火山の歴史や観測システムなどの紹介も。屋外では、噴火後の自然再生の様子や火砕流堆積物も観察できる。入館無料。雲仙地獄に関する問い合わせは、雲仙温泉観光協会(0957・73・3434)へ。

    2016年01月08日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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