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    素朴な色合い お手元に

    • 手提げかごや背負いかごなどの製作に励む振興会員ら(真庭市蒜山下徳山で)
      手提げかごや背負いかごなどの製作に励む振興会員ら(真庭市蒜山下徳山で)

     ◇蒜山高原 「がま細工」製作ピーク

     真庭市の蒜山高原で600年以上の伝統を誇る「ひるぜんがま細工」の製作がピークを迎えている。県郷土伝統的工芸品で、同市蒜山下徳山にある蒜山がま細工生産振興会の工房では、メンバーの女性が、刈り取ったヒメガマで手提げかごや「こしご(背負いかご)」などを丁寧に仕上げている。作業は3月下旬まで続く。

     蒜山高原のがま細工は南北朝時代(14世紀)、湿地に自生するガマで兵糧を運ぶ背負いかごを作ったのが起源とされる。「百日雪の下」といわれる同高原の冬の仕事として、かつては各家庭で作られていたが、1965年頃から安価な市販品に押され、今では振興会の女性7人が手掛けるだけになった。

     材料のヒメガマは、2か所の湿地計約10アールで栽培しており、ブヨや蚊に悩まされながら9月に収穫。ガマを編む糸となるシナノキは11月下旬、女性たちが手を真っ赤にしながら冷たい水にさらし、皮をはいで使う。

     工房では連日、4人ほどが作業。数ミリ幅の細いシナノキを数本より合わせて縄状にした後、「コモゲタ」と呼ばれる道具などで編み上げる。軽量で防水性や保湿性に優れ、使うほどに光沢が出るのが特長で、東京や九州の民芸店やデパートの注文に応じて作る。

     今年は、ヒメガマの収穫量が少なく、鍋敷きや「ためっこう(小物入れ)」などを含め、例年の半数ほどの約100個を製作する予定。

     多久間博子会長は「大切に使えば何十年も持つ。素朴な色合いを楽しんでほしい」と話していた。

    2018年02月14日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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