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    心の病 ともに歩み25年

    • 四半世紀の活動を振り返る吉沢さん夫妻。「これからも仲間を支えたい」と話す(日野町で)
      四半世紀の活動を振り返る吉沢さん夫妻。「これからも仲間を支えたい」と話す(日野町で)

     ◇県精神障害者患者会 例会が終了

     ◇会長の吉沢さん夫妻 悩み相談 電話で継続

     県精神障害者患者会「こころの会」が、同じ立場の患者同士で悩みや苦しみを語り合う場として四半世紀続けてきた例会が8月、終了した。ともにうつ病を患う会長の吉沢康雄さん(69)(日野町木津)と妻の鈴美さん(58)が設立したが、年齢を重ね、病を抱えながらの運営が難しくなった。それでも電話相談は継続し、「できるだけ仲間を支え続けたい」と願う。(阿部健)

     康雄さんは会社員だった1985年頃、仕事のストレスからうつ病を発症し、鈴美さんも看病、育児、仕事などの疲れで、数年後に同じ病を患った。

     康雄さんは体調が悪いと約2週間も寝込むことがあったが、そうしたつらさは健康な人には、なかなか分かってもらえなかった。当時は県内に患者が運営を主導する会はほとんどなく、92年に同会を設立した。

     「心の病になると、独りぼっちになりがちだが、そうならないようにしたかった」。康雄さんは振り返る。

     設立当初から2か月ごとに、県立男女共同参画センター(近江八幡市鷹飼町)で2時間の例会を開き、ピーク時は約30人が参加。「通院しても改善しない」「医者があまり話を聞いてくれない」「薬の副作用で眠くなる」といった病状や思いを率直に語ってきた。

     夫妻は「ピアカウンセラー」と呼ばれる民間の資格を取得し、同じ患者として対等な立場で耳を傾け、寄り添った。会場の確保や会の司会進行といった運営の仕事も担った。こうした負担で感じるしんどさは、加齢と共に増したという。

     2006年に施行された障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)などに基づき、県内各地に支援センターなどが整備されるようになった。それに伴い例会の参加者は減少し、近年は数人になったため、終了することを決めた。

     しかし、会を設立して4年後から応じてきた年中無休の電話相談(午前8時~午後10時)は続ける。1時間かけて思いを打ち明ける人もいるという。

     鈴美さんは「25年間例会を開くなかで、話を聞いてもらって共感することで心が晴れ、薬が減ったという人もいた。続けてきて良かった。活動の範囲は絞ることになるが、これからも仲間とともに歩いていきたい」と話している。

     ◎

     25年の活動を記念して、10月8日午後1時半から同センターで講演会を開催する。大阪府立大の三田優子准教授が、昨年4月に施行された「障害者差別解消法」の意味などを解説する。無料。事前申し込みが必要。電話相談や問い合わせは同会(0748・52・4255)。

    2017年09月13日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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