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    石見神楽 英語で口上

     ◇益田の社中 外国人に分かりやすく

     ◇22日 ドイツのツアー客に初披露

     石見神楽の魅力を外国人にも分かりやすく伝えようと、益田市匹見町道川の道川神楽社中が、口上などを英語に翻訳した。22日に同町を訪れるドイツからのツアー客を前に初めて上演する。(立山光一郎)

    • 英語の口上を述べながら練習する社中のメンバー(益田市で)
      英語の口上を述べながら練習する社中のメンバー(益田市で)

     石見神楽は、きらびやかな衣装や勇壮な立ち回りなどで、視覚的には外国人を魅了する。ただ長い口上を理解してもらうのが難しく、外国人に楽しんでもらう上でのネックになっているという。

     同社中の河本亮さん(52)は匹見町に観光で訪れた米軍岩国基地(山口県)の関係者らを前に演じた際、反応が今ひとつと感じた。内容が伝わっていないためと気づき、英語による神楽を思いついた。

     地元の地域自治組織「道川地域づくりの会」も、外国人観光客の誘客につながるとして協力し、市の助成金を得て、昨年春から取り組んできた。

     翻訳と演技指導は、高津川流域特区通訳案内士で舞台芸術にも詳しい澄川環さん(38)(益田市)に依頼。澄川さんは子どもの頃に地元の神楽を見に行ったことがあるほか、外国人向けの神楽の体験会に携わったり、神楽社中の海外公演に同行して訪問先で演目を紹介したりした経験がある。

     英訳された演目は、同社中が得意とする「天神」と「日本武尊やまとたけるのみこと」。国内の地名や登場人物の来歴など理解が難しい文化的な背景は割愛する一方、かつては米で税を納めていたことなど、物語の理解を助けるための言葉は補った。

     さらに古語であることを意識し、「かしこまってそうろう」を「Yes, your Highness」とするなど格調を保った。また、英語圏以外の外国人にも理解できるように平易な言葉を心がけたという。

     澄川さんは「言葉のリズムや文法、語順などで古語の雰囲気を感じてもらえるようにした。外国人が、日本の文化を知るきっかけにしてほしい」と話す。

     台本の完成後、澄川さんが口上の英語訳をCDに録音。社中のメンバーは昨年10月からCDを聞きながら覚え、今年1月から所作をつけて練習している。

     澄川さんはメンバーに「英語は理解を促すための手段でしかない。何を表現するのかが鍵。個性をいかした演技をしてほしい」とアドバイスする。

     日本武尊役を演じる河本さんは「英語だと本来の所作が合わないので、間の取り方が難しい。数多く練習してやるしかない」と話している。今後さらに英語の演目を増やしたいという。

     22日は、県内各地を巡るモニターツアーで匹見町を訪れるドイツ人大学院生らに、「日本武尊」を披露する。

    2018年02月14日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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