文字サイズ

    介護支援 男性参加を

    • ボランティアで将棋を指す吉田さん(中央)。認知症の男性(手前)との対局を続けている
      ボランティアで将棋を指す吉田さん(中央)。認知症の男性(手前)との対局を続けている
    • 「ささえあいポイント」事業で、ボランティア登録を行う研修会の参加者(浜松市西区役所で)
      「ささえあいポイント」事業で、ボランティア登録を行う研修会の参加者(浜松市西区役所で)

     健康な高齢者に社会参加を促す「介護支援ボランティア」。介護保険法の地域支援事業で、活動には換金や寄付が可能なポイントが与えられる。浜松市は「ささえあいポイント」事業として、2014年10月から実施しているが、男性ボランティアの登録者数が伸び悩んでいる。(浜松支局長・加藤賢治 52歳)

    ボランティア数伸び悩み

     「うーん、参ったなあ」「なるほどねえ」

     ボランティアの吉田裕昭やすあきさん(67)は、将棋盤を凝視しながら、声を漏らしていた。対局相手は、認知症の70歳代男性だ。

     介護療養型医療施設「西山ナーシング」(浜松市西区)4階の多目的ホール。2人は約2年半前から毎週、対局を続けている。1時間以上の「熱戦」に負けると、男性は童心に帰ったような笑顔を見せ、駒を並べ始めた。施設のスタッフは「(男性は)将棋の日を楽しみにしている。起床や朝食の時間など、生活のリズムも生まれている」と話す。

     大病を患い、家にいることが多かった吉田さんは「社会との関わりあいを持ちたい」とボランティアを始めた。「外に出ると、色々なことに気付かされる。施設に来ると、介護の大変さも分かる。体が動く間は、ボランティアを続けたい」と思っている。

     「ささえあいポイント」のボランティア活動は、施設や地域での配膳や清掃、安否確認など様々。活動30分につき1ポイント(100円)が与えられ、活動内容に応じて年50~100ポイントを上限に換金、寄付が可能。中山間地域での活動は64歳以下でも出来る。

     市の調査で、介護認定を受けていない高齢者に「今後やってみたいこと」(複数回答可)を聞いたところ、「ボランティア活動」は5・6%で、男女間で大きな差はなかった。

     しかし、65歳以上のボランティア登録者2732人(今年3月末時点)のうち、男性は2割強にとどまっている。独り暮らしの高齢者男性宅を訪問する場合、トラブル回避の面から男性ボランティアが派遣されるため、男性の参加は欠かせないのだが――。

     西区役所で今月5日に開かれたボランティア登録の研修会でも、参加者38人のうち男性は5人だった。ある男性(68)は登録したものの、「自分に何が出来るのか、まだ分からない」と迷っていた。登録者の3~4割は、活動に踏み切れないでいるとみられている。

     高齢者宅への配食ボランティアを続けている鈴木まことさん(69)は、「定年退職後も健康で、時間に余裕がある人は多い。日曜大工など、もっと男性向けのボランティアがあれば活動する人が増えると思う」と話す。「あと一歩」を踏み出せないでいるのが実情のようだ。

     ボランティアに関する情報は、市社会福祉協議会で入手できる。市高齢者福祉課は、男性の活動を増やすため、受け入れ施設の拡大や情報提供の改善などを検討している。

    「介護支援ボランティア」制度

     元気な高齢者に社会参加や地域貢献を促し、活動を通じて介護予防も目指す取り組み。厚生労働省が2007年、自治体に導入を呼びかけた。県長寿政策課によると、県内では袋井市や森町、静岡市など8市町で実施。浜松市の「ささえあいポイント」事業の問い合わせは、市高齢者福祉課(053・457・2789)、市社会福祉協議会・地域支援課(053・453・0580)。

    2017年07月14日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP

    理想の新築一戸建て