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    高速連結 企業が進出

    佐野・壬生 続々埋まる 産業団地

    • 北関東道のすぐそばで新しい産業団地の造成が進んでいる(25日、佐野市戸奈良町で)=林理恵撮影
      北関東道のすぐそばで新しい産業団地の造成が進んでいる(25日、佐野市戸奈良町で)=林理恵撮影

     佐野市の北関東自動車道佐野田沼インターチェンジ(IC)は、東北自動車道と交わる岩舟ジャンクションまで約5キロの好立地だ。全線開通を追い風にして、佐野市は昨年末、新たな産業団地の造成を始めた。佐野田沼ICが望める17・9ヘクタールの敷地には、トラックが頻繁に出入りし、重機のエンジン音がうなる。

     佐野市はもともと、北関東3県を結んでいる国道50号と東北道が交差する交通の要所だった。市は2007年までに市内に五つの工業団地を造成し、すべて埋まっている。その後も市には進出を打診する問い合わせが後を絶たず、市は佐野田沼ICの北約1キロに「佐野田沼インター産業団地」の造成を新たに決めた。北関東道に近いのが最大の売りだ。市企業誘致課は「国道は渋滞が多いし、高速網は企業にとって魅力」と話す。

     計画では計10区画。14年度から分譲を始め、15年度内には全区画を立地企業に引き渡したいと意気込んでいる。同課は「北関東道を起爆剤として、さらなる産業の活性化を狙いたい」と期待を寄せる。

     やはり東北道まで交通の便が良い壬生町の壬生IC近くの「みぶ羽生田産業団地」も、全線開通で活況にわいている。県が昨年末、1期目の5区画、計12・1ヘクタールで分譲を始め、早々と2件の進出が決まった。うち、調味料などを販売する水戸市の食料品卸売業「三和」は県外初めての拠点。「栃木県での消費拡大の足がかりになると見込んで立地を決めた」とする。

     経済産業省が昨年秋に発表した12年上半期(1~6月)の工場立地動向調査によると、栃木県内の立地件数は13件で、前年同期から1件増にとどまった。ただ、需要の高まるメガソーラー関連企業の立地が進み、県は「下半期は増える」と開通効果は上昇傾向と分析。「東北道が縦断している栃木県ならではの強みも生かし、誘致を進めたい」と強気だ。

    群馬の工業団地も活況

     北関東道伊勢崎ICに直結した群馬県伊勢崎市の伊勢崎三和工業団地。8キロほど離れた同市境東新井に本社を構える試作部品製造「浅野」は、この団地内に新工場(鉄骨一部2階延べ床面積1万平方メートル)の建設を進めている。完成すれば、本社機能も同時に移す計画だ。

     「我が社のビジネスチャンスはさらに広がる」。同社の赤石広行・取締役事業部長は期待を膨らませる。

     これまでの本社も、交通の利便性は優れていた。北関東道の全線開通で納品などの時間短縮が飛躍的に図られ、主な取引先である宇都宮市周辺の大手自動車メーカーの研究所までは約1時間半。国道50号を経由していた開通前は、渋滞もあって3時間近くはかかっていた。

     取引先との早朝の打ち合わせ、本社に戻ってからの会議も可能となった。時間を有効に使えるようになったことで、取引先からは「仕事を頼みやすくなった」と声を掛けられる。赤石取締役は「時短が売上増に直結するとまではいかないが、目に見えない効果は計り知れない」と説明する。

     本社機能を備えた新工場は5月には完成する予定だ。ICに直結すれば、高速網のメリットをさらに享受できる。今後は、別の取引先である茨城県内の大手機械メーカーにも、ビジネススピードの向上を武器に、今まで以上に積極的な営業を仕掛けるつもりだ。

    茨城の港へアクセス向上

    日産栃木工場 北米輸出拠点

     北関東道の茨城側の終着点・ひたちなかIC。その先につながる常陸那珂有料道路などを経て太平洋に向かうと、茨城港常陸那珂港区(ひたちなか市、東海村)が広がる。2012年10月23日には、17番目となる定期貨物航路「中国・韓国・東南アジア定期コンテナ航路」が就航した。中国・上海の船会社が釜山(プサン)やマニラなどを結び、週に1回寄港している。

     「北関東道の全線開通などで港への交通アクセスが一段と向上しており、北関東圏の企業の一層の利用が期待される」。茨城県土木部の小野寺誠一部長は就航の記念式典であいさつし、全線開通の効果を力説した。

     近くの工業用地には07~08年、建設機械大手の日立建機、コマツが相次いで工場を新設した。高速道路に直結している便の良さに加えて、道路輸送の難しい超大型ショベルや大型ダンプを輸出港まで運ぶコストを節約できるためだ。

     榊真一副知事は県議会3月定例会の一般質問で、「北関東道の整備の進展も踏まえつつ、積極的に企業誘致に取り組んだ結果、ひたちなか地区は、我が国の建設機械産業の一大拠点に発展した」と誇らしげに答弁。北関東道の沿線にある笠間市や茨城町の工業団地でも、新たな企業立地が相次いでいる実績も強調した。

    • 北関東道の全線開通で、茨城の港は需要が一層高まる(20日、茨城港常陸那珂港区で)
      北関東道の全線開通で、茨城の港は需要が一層高まる(20日、茨城港常陸那珂港区で)

     茨城県内の港は、近県の工場の海運拠点としても活用されている。日産自動車は10年5月から栃木工場(栃木県上三川町)で生産した乗用車の北米向け輸出拠点として茨城港日立港区(日立市)を利用する。メルセデス・ベンツ日本も、日立市と愛知県豊橋市の2か所としていた輸入拠点を、10年4月からは日立に一本化した。両社とも、車の輸送には北関東道などの高速道を利用する。

     他にも、富士重工業は09年、群馬県内の工場で生産した乗用車を常陸那珂港区から北海道に輸送する。古河市に進出した日野自動車も、圏央道が延伸し、輸送が容易になれば、同港区から輸出することを検討している。

    2013年03月28日 23時52分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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