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    デジタル駆使 東照宮宝物館 式年大祭・下

    • 全長22メートルの絵巻「東照社縁起」全5巻をタッチパネルで見ることができる
      全長22メートルの絵巻「東照社縁起」全5巻をタッチパネルで見ることができる

    ◇ 展示解説にタッチパネル

     約400年にわたり徳川家康をまつり、歴史を重ねてきた日光東照宮。現在も創建当時の姿を残すべく建物の修理が続けられているほか、最新技術を使って東照宮の姿や、家康の生涯を伝えようとする取り組みも進められている。

     ◇50年ぶり刷新

     東照宮には数万点に及ぶ家康の遺品や、献上品が残る。これらを収蔵し、一般公開してきたのが宝物館だ。宝物館は今年、50年ぶりに建て替えられ、13日に開館した。式典には、徳川宗家の徳川家広さん(50)も出席し「徳川将軍にとって最も大切な儀式は『日光社参』だった。歴代の将軍と全国の大名、武家から集められた日本の至宝とも言える品々がここにある」と完成を祝った。

    • アニメ「徳川家康」での、幼少時代の家康
      アニメ「徳川家康」での、幼少時代の家康
    • 完成した新宝物館
      完成した新宝物館
    • 家康に下された征夷大将軍の宣旨
      家康に下された征夷大将軍の宣旨
    • 国宝の太刀「国宗」
      国宝の太刀「国宗」

     ◇ 竹千代オリジナルアニメ

     新宝物館は総工費20億円。東照宮の姿や歴史を伝えるべく、デジタル技術が活用されている。

     展示室にはタッチパネルが設置され、展示品を解説する画像や映像を呼び出せる。修理中の国宝「陽明門」をコンピューターグラフィックス(CG)で細部まで再現し、シネマ室(51人収容)で上映する。今後、ほかの建造物の映像も制作していく予定という。

     このシネマ室では、家康の生涯を幼少、青年期を中心に紹介する約20分のオリジナルアニメも上映する。人質として駿府に連れて来られた家康(竹千代)が寺の和尚から「将来、優れた武将になる」と言われた際、「戦は嫌いだ。戦がある世だから母上と引き離された」とこたえるシーンなどを入れながら、戦乱の世を終わらせるまでを描いた。

     稲葉尚正権宮司(46)は「デジタル技術やアニメを使うことで、若い人や外国の方にも家康公と東照宮を分かりやすく紹介できる。旧宝物館の時よりも多くの拝観者に入館してもらえる」と話す。

     また、東京国立博物館に寄託している国宝の太刀「助真」と「国宗」を47年ぶりに展示する。5月からは、2代将軍秀忠が英国王ジェームズ1世に贈った甲冑かっちゅうが公開される。

     

     ◇ 続く修理

     数多くの建物がある東照宮の歴史は「修理の歴史」とも言われる。色鮮やかな極彩色を維持するには最低でも40年サイクルの修理が必要だ。

     2007年に始まった「平成の大修理」は工期50年、工費300億円という大事業で、すでに唐門と東西透塀の修理を終え、13年7月からは陽明門と本殿の修理を行っている。

     ◇ 観光への期待

     日光市は、昨年の「世界遺産登録15周年」に続き、式年大祭をアピールすることで、東日本大震災後に落ち込んだ観光客数の回復を図る。

     市観光協会は「400年分の願い。400年分の夢」と書いたポスターを、首都圏の鉄道駅や高速道路サービスエリアに掲示。市内の商店にも店先に飾る「奉祝フラッグ」を配布してPRする。塩谷弘志事務局長は「式年大祭が呼び水になり、鬼怒川や湯西川、中禅寺湖、湯元など日光全体の観光が盛り上がることを期待している」と話す。

     また、市は9月下旬~10月上旬に東照宮の五重塔前を会場に芸能祭を開催。日光市内に伝わる獅子舞やおはやしなどの伝統芸能を、全国の有名芸能とともに披露する予定で、具体的な内容を検討している。

     ◇ 戦後70年広島と交換植樹へ

     今年が戦後70年にも当たることから、東照宮は8代将軍吉宗ゆかりのふうと、広島原爆の爆心地から約1・3キロの場所にありながら生き残った被爆アオギリのそれぞれ2世木を交換植樹する。

     楓は中国・台湾が原産で、吉宗が苗木を取り寄せ、東照宮や江戸城などに植樹した。東照宮の楓は枯れたため、現在の木は、1982年に皇居に残っていた楓の種子を昭和天皇から下賜され、育てたものだ。植樹は6月頃を予定している。

    2015年03月20日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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