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    災害避難 矢印見て…渋谷区 2か所にオブジェ

    • 一時退避場所の(上)青山学院大への方向を示す矢印と(下)代々木競技場の方向を示す矢印
      一時退避場所の(上)青山学院大への方向を示す矢印と(下)代々木競技場の方向を示す矢印
    • 一時退避場所の(上)青山学院大への方向を示す矢印と(下)代々木競技場の方向を示す矢印
      一時退避場所の(上)青山学院大への方向を示す矢印と(下)代々木競技場の方向を示す矢印

     災害で多数の帰宅困難者が発生した際、いかに安全な避難場所に誘導するか。この課題と向き合う渋谷区で8月下旬、街の中に奇抜なデザインの「矢印」のオブジェが二つ、登場した。地震発生時などに退避場所となる広場の方向を指し示しているといい、区は「変わったデザインで注目を集め、防災意識を高めたい」と狙いを語っている。

     矢印のオブジェは、区商店会連合会などでつくる実行委員会と区が企画。「シブヤ・アロー(矢)プロジェクト」と題し、芸術家に依頼してオブジェを制作、まずは複合施設「渋谷キャスト」(渋谷)の前と、区清掃事務所宇田川分室(宇田川町)の壁に設置した。

     JRや東急東横線などが乗り入れる渋谷駅は、1日の乗降客数が200万人以上にのぼる。区の防災計画によると、首都直下地震などの大規模地震が起きた際、最大で約14万5000人の帰宅困難者が発生すると想定されている。

     2011年の東日本大震災では交通機関がマヒしているにもかかわらず、渋谷駅に大勢の人が押しかけて大混雑となった。この教訓から、区などは、明治神宮や青山学院大、代々木競技場の屋外敷地を独自に「一時退避場所」に設定。災害時の駅周辺からの避難先としているが、駅利用者や訪日外国人らには知られていないことが課題だった。

     二つの矢印オブジェの下には、一時退避場所までの道順や、英語、中国語、韓国語での案内板も置かれており、区危機管理対策部の担当者は「あの矢印は何だ、と気を引き、写真やツイートでどんどん拡散してもらって、結果的に一時退避場所への認識が高まってくれればうれしい」と話した。

    帰宅困難者の誘導課題

     帰宅困難者の安全な避難誘導は、大都市のターミナル駅での共通の課題だ。

     首都直下地震が起きた場合、池袋駅周辺で約5万3000人の帰宅困難者の対応を想定している豊島区では、同駅の東口と西口に「情報提供ステーション」を開設。行き場のない人たち向けに、ホテルや公共施設などの一時滞在施設への地図が描かれたチケットを1枚ずつ配るという。紙を渡して情報を伝えることで、正確で迅速な誘導を目指す。

     同じく多数の帰宅困難者が見込まれる新宿区では、大型ディスプレーを積極的に活用する。JR新宿駅東口周辺の商業ビル「新宿アルタ」など計3か所では、避難場所の新宿御苑までのルートを、日本語、英語、中国語、韓国語の4か国語で案内するほか、西口広場の大型デジタルサイネージ(電子看板)でも、交通機関の状況や避難場所の情報を表示する。

    2017年09月14日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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