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    中山間地 民泊で活性

     ◇外国人、都市部観光客にニーズ

     住宅やマンションの空き室に旅行客を有料で泊める「民泊」のルールを定めた住宅宿泊事業法(民泊法)が6月に施行される。県は、中山間地の振興策として民泊を活用したい考えで、法施行を機に新規参入者への支援策を導入する方針。「民泊と農業体験などを組み合わせ、鳥取観光の選択肢の一つとして国内外にPRできれば」としている。(古賀愛子)

     ◇6月に法施行…県、新規参入支援策導入へ

    • 橋本さん(中央)宅で夕食を楽しむファウペルさん(右)とグローマンさん(鳥取市青谷町で)
      橋本さん(中央)宅で夕食を楽しむファウペルさん(右)とグローマンさん(鳥取市青谷町で)

     「イタダキマス」「スゴクオイシイ」――。鳥取市青谷町の飲食業橋本学さん(57)宅で先月末、ドイツ人のファビアン・ファウペルさん(29)とサラ・グローマンさん(24)が湯豆腐やちらしずしの並ぶ食卓を囲んだ。2人は寺社やアニメなど「大の日本ファン」といい、グローマンさんは「日本人がどんな生活をしているのか体験してみたかった」と民泊を選んだ理由を話した。

     橋本さんが自宅の空き部屋で民泊を始めたのは約1年前。週2組以上が訪れ、大半は外国人だ。「和室や地元の小さな神社などが喜ばれている。有名観光地にはない、〈普通の日本〉が求められているのでは」と分析する。

     現在、民泊を営むには、首都圏などの国家戦略特区を除き、旅館業法に基づく「簡易宿所」として自治体から許可を得る必要がある。ただ、施設の要件などを満たすのが難しく、無許可の「ヤミ民泊」が全国的に横行。民泊法では、違反者への罰則を設けてヤミ民泊を厳しく取り締まる一方、都道府県などに届け出れば年間180日を上限に、自由に営業できるようになる。

     県内で簡易宿所の許可を得ているのは371軒(2017年7月末時点)。県は、宿泊施設が少ないことなどが理由で〈素通り〉されていた観光地や中山間地の活性化につながるなどとして、民泊の活用を進める方針。法施行に合わせ、一般向けの相談窓口を設置するなど参入を検討する人へのサポートを充実させる。

     特に、農山漁村での民泊は外国人や都市部の観光客のニーズが高いとして推進していく。農家が体験観光などの受け入れを始める際の補助制度を新設し、民泊への新規参入につなげたい考えだ。反対に、市街地などでは、騒音などで近隣住民とトラブルになることを懸念し、年2回の現地検査を行うなど管理体制を整える。

     一方、既存のホテル、旅館からは、民泊拡大による経営悪化を懸念する声も上がっている。県くらしの安心推進課の担当者は「民泊も含めて鳥取の魅力を発信し、多くの観光客を呼び込むことで、既存の宿泊施設も活気づけられるような方策を考えていきたい」としている。

    2018年02月12日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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