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    密漁 ドローンで監視

    • ドローンを使った密漁の監視について説明する三輪准教授(左、和歌山市で)
      ドローンを使った密漁の監視について説明する三輪准教授(左、和歌山市で)

     ◇加太漁協、5月にも試験運用

     横行する夜間の密漁を防ごうと、和歌山市加太の加太漁協(由井臣組合長)が小型無人機「ドローン」を使った不審者の監視を検討している。効果や課題を検証中で、今月上旬に行った実機を使った実験の手応えは上々。5月にも試験運用を始める方針だ。(久米浩之)

     加太周辺はマダイ、サザエ、アワビ、ワカメなどの豊かな漁場だが、同漁協の水揚げ量は右肩下がり。2016年度は約112トンで、06年度(約237トン)の半分以下になっている。漁師の高齢化や後継者不足などで厳しい状況の中、密漁が追い打ちをかけている。

     特に、目が行き届かない夜間の対策が課題。観光客が軽い気持ちでサザエやアワビを取って帰ることもあるといい、由井組合長は「やる側の罪の意識は薄くても、稚魚や稚貝が減れば海の生態系にまで影響を与え、漁業に深刻な打撃がある」と頭を抱える。

     同漁協は、16年12月から徳島県美波町の伊座利漁協でドローンによる密漁監視実験に取り組んでいる徳島大の三輪昌史准教授(機械工学)に協力を求め、3日に加太周辺の上空でドローンの飛行実験を行った。

     実験には、三輪准教授と和歌山大の秋山演亮ひろあき教授(航空宇宙工学)が参加。組合員約10人が見守る中、赤外線カメラを搭載した機体、高画質な4KカメラにLED(発光ダイオード)投光器を備えた機体の計2機を約10分間飛ばし、約250メートル沖までを撮影した。

     周囲が暗くても赤外線カメラには人影や船影がはっきり映り、投光器で照らして近付けば4Kカメラでも人や船の様子を確認できたという。三輪准教授は「両機ともうまく撮影できた。特に赤外線カメラは有効で、近付かなくてもすぐに密漁者を見つけられる」と手応えを語る。一方、荒天時の対応や操縦者の育成が課題といい、「ドローンの監視効果は非常に高く、導入できるよう検討を重ねたい」としている。

    2018年02月14日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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