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    農業試験場、大学校と「統合」 県総合計画素案

    • 移転の検討が始まる県農業試験場(山口市)
      移転の検討が始まる県農業試験場(山口市)

     県が次期総合計画の素案に、農業試験場(山口市大内氷上1)と農業大学校(防府市牟礼)の統合を盛り込んでいることがわかった。5月の防府市長選では、農業試験場の誘致を掲げた元県総務部長の池田豊氏(61)が初当選し、今月21日に就任する。県は農業試験場を農業大学校のそばに移転する方向で検討を始める。

     両施設はいずれも、県農林総合技術センターの組織内に位置づけられている。次期総合計画の素案では「農林業の『知』と『技』の拠点の形成」――を掲げ、「研究開発や先端技術を駆使できる担い手の早期育成を図るため、農業大学校や農業試験場等を統合し、拠点を形成する」としている。

     農業試験場は1896年の設立。敷地面積は約25・7ヘクタールで、職員63人(4月1日時点)がコメや野菜などの栽培技術の開発や病害虫の研究などを行っている。一方、農業大学校は1934年の設立。2年の全寮制で、現在60人が園芸、畜産の2学科で学んでいる。

     防府市長選で池田氏は「防府を県の農業の拠点にしたい」と訴えた。一方、山口市の渡辺純忠市長は今月11日の市議会で、両施設の統合について「一応理解できる」としながらも、「本市の農業振興に支障が出ない対応を望む。(移転後の)土地利用が本市の発展につながる形を期待する。必要であれば県に協議の場を求めたい」と答弁した。

     村岡知事は13日の定例記者会見で、「生産性が高い農業を実践するためには、人材育成と研究開発が連携することが重要。両施設を統合するのも一つの考えで、検討したい」と述べた。

     読売新聞が入手した県の次期総合計画の素案によると、名称は「やまぐち維新プラン」で、期間は2018~22年度の5年間。村岡知事が2月の知事選で主張した産業、大交流、生活の「3つの維新」関連の62の重点施策を盛り込み、県の政策の方向性をまとめた。

     主な重点施策は、▽宇宙利用産業の創出を図る「やまぐちSPACE HILL」構想の実現▽海外市場への中小企業・農林水産物の展開▽明治150年を契機とする歴史の継承――など。航空機・宇宙機器産業の受注獲得金額を22年度までに累計10億円とするなど、92の成果指標も設定した。

     県は、県議会6月定例会などに素案を提示した後、県民からの意見公募(パブリックコメント)を実施し、9月の計画策定を目指す。

    (松本晋太郎、江口武志)

    2018年06月14日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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