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【平成万葉の旅 番外編】身近に存在 いつの世も昨年6月から47回連載した「平成万葉の旅」の中で、万葉集とのかかわりやエピソードを披露していただいた方々の一部から、改めて万葉集への思いや連載の感想を聞いた。 「平成万葉の旅」は、各回1首の万葉歌を取り上げ、ゆかりの地でのエピソードを中心に、各地に残る万葉の世界を描いた。 君が行く道の長手(ながて) を繰り畳(たた)ね焼き滅(ほろ)ぼさむ天(あめ)の火もがも 狭野弟上娘子(さののおとかみのをとめ)(巻15―3724) 万葉の里・味真野(あじまの)地区がある福井県越前市。万葉の「語り部」を目指す宮川久子さん(74)は、狭野弟上娘子の歌への特別な思いを語り、単身赴任していた当時の家族を思う気持ちと重ねた。その後、宮川さんは「大和路の万葉ゆかりの地を訪ね、歴史や文化を学びながら日本人の魂に触れている」と、実際に「万葉の旅」を楽しんでいるという。 伊香保風吹く日吹かぬ日ありといへど吾(あ)が恋のみし時無かりけり 作者不詳(巻14―3422) 群馬県の旧伊香保町(現・渋川市)では、万葉歌を通じて温泉地・伊香保の魅力を伝えながら亡くなった富沢智子さんを紹介した。富沢さんの卒業論文を「伊香保の万葉集」(万葉書房)として出版した短大時代の恩師、星野五彦(ゆきひこ)さん(69)(千葉県印西市)は、「地元の人々と万葉集とのつながりが、身近なものだということを改めて感じた」と語る。 銀(しろかね)も金(くがね)も玉も何せむに勝れる宝子に及(し)かめやも 山上憶良(巻5―803) 福岡県嘉麻市で、山上憶良の「銀も―」の歌を郷土の宝として語り継ぐ金丸かつ子さん(74)も、「ゆかりの地で様々な活動があることがわかり、今後の取り組みの勉強になった」と振り返った。 ◇ 次回から、新企画「百景を歩く」が始まります。 「新たな理解に」奈良県立万葉文化館館長 中西進さん 万葉集を文献、古典として読むと生活から離れてしまう。連載では、記事も写真も、今日息づいている万葉の世界を平凡な風景、心理で理解することができる。古典をいかにも古めかしく読むのではなく、現場感を強く打ち出したことで、万葉集を日常的なものにした。新たな万葉理解を掘り起こしてくれた。 ◇ 関連企画続々
小林幸子さん恋歌CD歌手・小林幸子さんが歌う「万葉恋歌 ああ、君待つと」のCDが6月24日、コロムビアミュージックエンタテインメントから発売される。作家の新井満さんが、万葉集約4500首の中から選んだ5首の恋の歌に曲を付けた。基になるのは、額田王、磐姫皇后、播磨娘子の恋歌。問い合わせはコロムビアME(03・3588・2200)へ。
「平成万葉集」刊行読売新聞創刊135周年記念企画として、現代日本の素顔を短歌で描く「平成万葉集」=写真=が7月10日(予定)、中央公論新社から刊行される。読売新聞社と「万葉のこころを未来へ」推進委員会(中西進委員長)の編。全国から寄せられた約4万6000首の短歌から選ばれた入選作1000首を収めている。定価1890円(消費税込み)。問い合わせは、読売新聞東京本社事業開発部(03・5159・5886)へ。 (2009年6月8日 読売新聞)
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