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    私も言いたい!「NEWS通」

    「育休で上の子退園」…地裁が執行停止を決定

     下の子が生まれて保護者が育児休業を取得した場合、既に保育園に通っている上の子が原則退園となる埼玉県所沢市の運用を巡り、長女が退園となった同市の会社員女性(30)が退園の執行停止を求めた申し立てについて、さいたま地裁(志田原信三裁判長)は29日付で執行停止を認める決定を出した。長女は1日から再び保育園に通える。

     決定では、同市が退園処分を決めた際、行政手続法に定められた手順で女性の意見を聞かなかったとして、運用が違法である可能性があると指摘。女性の両親が高齢であるなどの個別事情もあり、「長女の保育を継続する必要性がないとは言い切れない」と判断した。(2015年09月30日)

    所沢市の制度とは?

     所沢市は今年度、下の子の出産に伴って保護者が育休を取得する場合、保育園に通う上の子が0~2歳であれば原則として退園させる運用を始めた。保育園の空きを待つ待機児童を減らすことが目的で、育休を終えて復職する際は、上の子、下の子ともに入園選考のポイントを大幅に加算し、希望する保育園に入れるようにする。

     市こども未来部によると、昨年度の同市の待機児童は32人。今後、一時退園の対象となる園児は年間約90人と見込まれる。

    藤本正人市長「より保育を必要とする人に手を差し伸べるのが市の役割。納得いかない保護者もいるかもしれないが、きっと家庭での育児は『子どもと一緒で良かった』と思ってもらえる」(これまでの記者会見で)

    提訴の保護者「子どもに負担」

     保護者は、育児休業を取得した場合でも同規則で上の子の保育の必要性が認められていると主張。提訴後、原告ら13人が東京都内で記者会見し、母親の一人は「子どもにとって、大好きな先生や友達と過ごせなくなることは大きなストレス」と訴えた。代理人の原和良弁護士は「市の政策は、国の少子化対策や女性の社会進出支援、親の願いに逆行するものだ」と述べた。

    保護者「子どもの大事な時期を奪わないでほしい。待機児童の解消も大切だが、保育園を増設するなどして対応を」「短期間で入退園を繰り返すのは、幼い子どもにとって良くない」(25日の記者会見で)

    育休に伴う退園をめぐる動き

    2014年9月    所沢市が原則退園の運用方法を説明するパンフレットを全保護者約5000人に配布

    2015年3月 5日 市が各保育園に、対象となる保護者への説明を依頼

         3月17日 保護者らが新しい運用方法の撤回を求める要望書を市に提出

         4月 1日 新しい運用がスタート

         5月24日 保護者らによる「安心して子育てできる街にしたい!!会」が集会

         6月11日 市が、育休明けに元の保育園に戻ることを保証する予算措置を発表

         6月25日 保護者11人が退園差し止めを求めて提訴

         9月29日 さいたま地裁が退園の執行停止を認める決定

    あなたはどう思いますか?

     「安定した成長を妨げる」「待機児童の解消につながる」――。保護者と行政それぞれに主張がありますが、今回の行政の対応について、あなたはどう思いますか。行政の対応に賛成の方は「イエス」、反対の方は「ノー」に投票し、それぞれ理由を書いてください。

    投稿はこちら

    みんなの意見を見る

     7月1日までに寄せられた意見をまとめたところ、「賛成」と答えた人が65%、「反対」と答えた人が35%と、賛成派が多数を占めました。賛成派からは「待機児童解消のため」、反対派からは「少子化が進む」という意見が多く寄せられました。

     結果をまとめた記事はこちら。(2015年07月02日)

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    2015年10月01日 09時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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