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    気象・災害まとめ読み

    関東・東北で記録的豪雨…風水害対策まとめ

    • 冠水した道路をボートで自宅まで運んでもらう住民ら(9月15日午前9時16分、茨城県常総市で)=稲垣政則撮影
      冠水した道路をボートで自宅まで運んでもらう住民ら(9月15日午前9時16分、茨城県常総市で)=稲垣政則撮影

     台風18号から変わった温帯低気圧の影響で、関東や東北では雨が降り続き、栃木県や福島県の一部で、50年に1度の規模の記録的な大雨となり、茨城、栃木、宮城県で犠牲者は計8人となった。風水害から身を守るために、押さえておきたい基礎知識や対策についてまとめた。(協力・日本気象協会 tenki.jp

    避難のあり方

     気象庁では2013年から、数十年に一度という豪雨が予想される際、「特別警報」を出すようになった=図=。自治体からも命を脅かす危険性が高くなるに従い、「避難準備情報」「避難勧告」「避難指示」が出される。テレビなどから情報を集め、避難を検討する。

     特に、近くの河川があふれそうな場合や自宅裏に急傾斜地がある場合は、早急な避難が必要だ。防災・危機管理アドバイザーの山村武彦さんは、「なるべく早く、それも日中に自治体が指定する場所に避難して」と助言する。夜間は暗く、側溝などに足を取られる可能性があるからだ。ただ、濁流などで避難が難しい場合は無理をせず、2階など高い所に移ることも検討する。

     「上流域の雨が下流域に押し寄せ、急に増水する可能性がある。住んでいる地域の雨がやんでも警戒は怠らないで。雨量や水位の情報は自分から探すよう心掛けましょう」

    事前の準備

     国土交通省では水害に備え、ハザードマップで自宅周辺の避難所を確認することを勧めている。マップは水害などの被害想定がまとめられ、避難路や避難所も明記されている。

     同省のハザードマップのポータルサイトでは、全国の市町村の洪水ハザードマップを見ることができる。各市町村のホームページなどでも確認できる。

     避難時の持ち出し袋も、もう一度確認したい=表=。玄関などすぐに持ち出せる場所に置いておく。入れる物は、子どもや高齢者がいる場合など家族構成を考慮する。

    (→記事へ)(2015年09月16日)

    連載企画「気象災害に備える2015」

     気象災害の被害を減らすための最新の研究や取り組みを紹介します。

    局地豪雨、最新機器で迅速に察知     (2015年08月03日)

    実験重ね危険度判定 土石流の兆し逃さない(2015年08月10日)

    トンネル水路でダム増強         (2015年08月24日)

    台風とは

     北西太平洋または南シナ海に存在する、最大風速(10分間平均)がおよそ秒速17メートル以上の熱帯低気圧を指す。

     天気予報を見ると、台風は一度北西の方に移動してから、カーブするように北東へ動くことが多い。これは、台風が地球の自転の影響で北へ向かいながら、上空の風によって流されるからだ。通常東風が吹く低緯度では西に、偏西風が吹く中・高緯度では東へ動くため、このような進路を見せる。

     台風は、暖かい海面から上がってくる水蒸気によって発達する。日本付近に接近すると、水蒸気の供給が断たれ、また上空に寒気が流れ込むため、台風本来の性質を失い「温帯低気圧」に変わる。

    台風の規模を知るには

     台風は、風速を基に「強さ」と「大きさ」で階級分けされる。

    • 気象庁「台風の大きさと強さ」をもとに作成
      気象庁「台風の大きさと強さ」をもとに作成

    「規模が小さい=雨が少ない」ではない

     台風の強さを表すのはあくまで風のため、雨については考慮されない。強い台風でなくても、大雨の被害が出ることも十分に考えられるため、油断は禁物だ。

     また、中心気圧が低いほど風は強くなる傾向にあるが、これも周辺の気圧との兼ね合いで変わってくるため、「何ヘクトパスカルだから強い、弱い」というふうには一概に判断できない。

    • 気象庁「雨の強さと降り方」をもとに作成(表中の画像は気象庁提供)
      気象庁「雨の強さと降り方」をもとに作成(表中の画像は気象庁提供)

    9月に多いイメージだが

    • 「月別の台風発生・接近・上陸数の平年値(1981~2010年の30年平均)」(気象庁ホームページより)
      「月別の台風発生・接近・上陸数の平年値(1981~2010年の30年平均)」(気象庁ホームページより)

     一般的に、台風は9月に多いと思われているが、過去の平年値を見ると、8月の方が多い。ただし、室戸台風(1934年)、伊勢湾台風(1959年)など、過去に大きな被害を出した台風の多くは9月に来ていることが多い。一方、大災害を起こした豪雨は、7月に集中している。

    台風や大雨で起きる被害

    • 局地的な豪雨で、土砂崩れが発生した現場(2014年8月20日、広島市安佐南区八木で、本社ヘリから)
      局地的な豪雨で、土砂崩れが発生した現場(2014年8月20日、広島市安佐南区八木で、本社ヘリから)

     台風や大雨(集中豪雨)によって起きる災害は、大きく分けて以下の6種類に分けられる。

    (1)土砂崩れ…土石流、がけ崩れ
     ・広島土砂崩れ、18人死亡…未明に豪雨(2014年08月20日)

    (2)浸水…用水路などの氾濫、道路の冠水
     ・大雨、排水処理能力超す?…福知山冠水(2014年08月18日)
     ・水たまりのある道路、安全に走行するには?(2014年10月03日)

    (3)洪水

    (4)暴風…転倒事故、建物の損壊、竜巻
    竜巻、全国で10か所…台風18号影響(2013年09月19日)
    強風で住宅損壊40棟、52人けが…台風19号(2014年10月14日)

    (5)高潮
    北海道などで暴風雪…根室で高潮(2014年12月17日)

    (6)高波

    日ごろの備え

    ・側溝や排水溝の掃除をし、水はけをよくする
    ・非常用品の備蓄
    ・家族で緊急連絡先や手段、集合場所などを決めておく
    ・家の近くのハザードマップをチェックしておく
    (日本気象協会 tenki.jpより)

    災害が起きそうなときは

    • 雨水を川に流すポンプが設置されている施設(中央)。冠水によってポンプが動かなくなった(2014年8月17日、京都府福知山市で、本社ヘリから)
      雨水を川に流すポンプが設置されている施設(中央)。冠水によってポンプが動かなくなった(2014年8月17日、京都府福知山市で、本社ヘリから)

    情報の収集

     台風や大雨は、事前にある程度予測することができる数少ない災害。

     テレビやインターネットの天気予報をチェックする。特に、注意報や警報には注意する。自治体によっては、防災気象情報を送るメールサービスを実施しているところもある。

     台風の場合、まずは進路を見て、自分がいる場所に台風が来るのか来ないのかを確認する。進路に入っていなくても、前線が刺激されるなどして大雨になる場合もある。来そうな場合、いつ頃来るのかを確認する。

     降り始めたら、降水量に注意する。近くに河川がある場合、水位情報も確認するとよい。水位情報は自治体のホームページなどで確認できる。

    家の周りを再点検

    ・強風で飛ばされそうなものは、室内にしまう
    ・床上の浸水対策として、家財や家電を2階に移動する
    ・断水に備えて、飲料水を確保する
    (日本気象協会 tenki.jpより)

    台風がやってきたら

    • 台風の強風で2階部分が壊れた住宅(2014年10月13日、鹿児島県枕崎市で)
      台風の強風で2階部分が壊れた住宅(2014年10月13日、鹿児島県枕崎市で)

     外出は控える。道路の水位20センチでこどもが、70センチで大人の男性が行動できなくなる。特に、夜間の外出はしない。都市部では、遠い避難場所よりも2階に避難した方が安全な場合も多い。ただし、洪水や土砂災害のおそれがある場合は、早めに避難する。

     避難する場合は、なるべく少ない持ち物で、リュックサックなどで両手を自由に使えるようにする。避難前には、火の元やガスの元、電気のブレーカーを落とし、戸締まりを確認する。

    防災関連リンク

     ヨミウリ・オンライン 天気
     ヨミウリ・オンライン 交通情報
     +気象庁
     +日本気象協会
     +国土交通省 川の防災情報
     +国土交通省 XバンドMPレーダ(より細かい雨量情報)

    2015年09月17日 14時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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