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    7代目「人生ゲーム」に込められたメッセージとは?

    メディア局編集部 原啓一郎
    • 7代目「人生ゲーム」。価格は税別の希望小売価格で3980円(タカラトミー提供)
      7代目「人生ゲーム」。価格は税別の希望小売価格で3980円(タカラトミー提供)

     億万長者を目指すタカラトミーの盤ゲーム「人生ゲーム」の7代目が発売された。「人生、山あり谷あり~」のテレビコマーシャルにのって、1968年に初代人生ゲームが発売されてから48年。販売累計1300万個以上を誇る国民的なゲームは、マス目や職業に、その時々の世相を映し出してきた。

     最新作に込められたキーワードは「多様な価値観」。好きな生き方を選ぶことができる。年度初め、久しぶりにボードゲームを囲み、今後の人生に思いをはせてみるのもいいかもしれない。

    新職業に「売れっ子声優」

     8年ぶりに一新された7代目「人生ゲーム」のコンセプトは「何回遊んでも面白い」。基本の盤面に、4つの追加エリアを組み合わせ、最大16通りの盤面で遊ぶことができる。

     追加エリアには、だれよりも早く就職できる「スタートダッシュエリア」や、転職や昇格を目指す「キャリアアップエリア」がある。組み合わせ次第で、「今回は早く就職する人生にしよう」「仕事に生きよう」など生き方を選択できるのも特徴だ。

     人生の岐路に、都会での暮らし(シティコース)か、郊外の暮らし(カントリーコース)を選ぶこともできる。

     「ブランド農家」「ロボットクリエイター」「売れっ子声優」など、職業もイマドキ。「ネットカフェでマッタリ」「増税前にまとめ買い!」「人工知能で資産運用」「外国人の旅行客を道案内」など、マス目にも世相が反映された。

    幸せはお金で得られるの?

     人生ゲームの勝ち負けは、全員がゴールした後、誰が最もお金を持っているかで決まる。このルールは初代の発売から変わらない。途中でどんな人生を送ろうとも、最も多くのお金を稼いだ人が勝ち、というわけだ。

     でも、お金をたくさん手にしたからといって、幸せとは限らない。タカラトミー広報課の村山麻衣子さんは「人生ゲームは勝敗だけでない。ゲームで歩んだ人生について、家族や友達と語らい、楽しんでもらうことのできるゲームです」と話す。

    人生考えるきっかけに

    • お金を稼ぐことがすべてではない(写真はイメージです)
      お金を稼ぐことがすべてではない(写真はイメージです)

     筆者も子供時代に家族で人生ゲームをしたことがある。1番になれば、もちろんうれしかったが、負けたあとも「アルバイトしながら、いろいろな体験をした人生だった」「政治家になれたけれど、お金を失ってばっかりだったよ」などと、家族と話す時間が好きだった。

     1997年発売の5代目「人生ゲームEX」のマス目には、「バカンスで月に行く。25万ドル払う」とある。このマス目はゲーム終盤にあり、25万ドルという高額の出費(ゲーム内で購入する「マンション」の12.5倍)はゲームの順位に大きく影響する。

     このマスに止まって逆転負けした人も多いはずだが、ゲームが終わった後、「負けちゃったけど、月にバカンスに行った。いい人生だったよ」「老後にみんなで月にバカンスに行きたいね」と、家族のだんらんが盛り上がることもある。

     村山さんは「ゲームが終わった後、自分の人生を振り返ったり、未来を思い描いたりしてほしい」と話す。ゲームの中の人生と比較して、「まだやりきれていないことが、たくさんある」と奮い立ったり、「今は幸せ」とかみしめたり。子供なら「自分もゲームで就いた職業を目指したい」と思うきっかけになるかもしれない。

    最初はアメリカ版を直訳、徐々に日本風に

     1700円で発売された初代「人生ゲーム」は、アメリカで発売されたボードゲーム「THE GAME OF LIFE」をほぼ直訳したものだった。そのためマス目には「サラブレッドを買う」「高級車ロールスロイスを買う」「牧場のあとつぎになる」といった、60年代アメリカのスケールの大きな生活様式が並んだ。

     日本流のマス目となったのは、1983年の3代目から。「先生」「医者」に加え、「アナウンサー」「アイドルスター」「アルバイト」といったカタカナ職業が加わった。マス目に「お歳暮を贈る」「正月休みにスキーツアー」といった日本的な風習も盛り込まれた。

     シリーズを重ねるうちに、「スポーツ選手」「プログラマー」など、その時々の人気の職業が追加されたが、「サラリーマン(ビジネスマン)」は初代から残っている。

    世相色濃く関連シリーズ

    • 人生ゲームM&A(タカラトミー提供)
      人生ゲームM&A(タカラトミー提供)

     時々の世相がより濃く反映されてきたのが、今回7代目を迎えたフラッグシップモデルとは別に、販売されてきた52作以上の関連シリーズ。「環境保全」をテーマに1990年に発売された「人生ゲーム平成版II」は、「森林伐採」や「核廃棄物ドラム缶」がゲームの進行を左右した。阪神大震災やオウム真理教事件など、パロディーにできない深刻な事件が続発した90年代後半は、「お笑いをテーマにしたゲームを作って、世の中を元気にしよう」と吉本興業とタイアップ。97年に「人生ゲーム関西版」として発売された。

     ライブドアによるニッポン放送株の大量取得など、敵対的なM&A(企業の合併・買収)が大きな話題となった05年には、「人生ゲームM&A」が登場。企業買収や投資を繰り返し、巨大コンツェルンの総帥を目指す。多くの企業家や経営者が関わったこともあり、話題となった。

     (メディア局編集部 原啓一郎)

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    2016年04月06日 16時50分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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