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    トピックス社会

    「サラ川」にみる熟年危機~男は存在の軽さを覚悟せよ

    「『きょうの料理』 明日もでず」

     「妻ドローン」の句が評判になった第一生命保険の第29回「サラリーマン川柳」。だが、シニアライフをこの先迎える中年男性にとって切実な句は、これ以外にもある。世の男性は我が身を振り返り、来るべき試練に向けて生き方を再考するきっかけにすべきかもしれない。

     投票で第1位に選ばれた「退職金 もらった瞬間 妻ドローン」(元自衛官)は、空を飛ぶ小型無人機「ドローン」と、「ドロンと姿を消す」をかけて、熟年離婚をうたった。

     厚生労働省によると2015年の離婚件数は22万6198組で、前年より4091組増えた。同居期間別で前年からの増加率をみると、最も高かったのが35年以上同居した夫婦で7.7%だった。長年寄り添った夫婦の危機が浮かび上がる。

     食卓をめぐり、定年退職後の夫婦関係の変化をうかがわせる句も。第8位の「妻が見る 『きょうの料理』 明日もでず」(グルメ老)と、第27位の「何作る? 今では俺から 妻に聞く」(暇暇人)。

     大和ネクスト銀行の調査によると、毎年旅行にいくシニア層(60~79歳)に聞いたところ、70代女性の72%は旅行仲間がいると答えた。一方の男性は56%で、“レジャーも夫婦別”がトレンドのようだ。

     家族内での男性の存在感の希薄さを象徴するのが第4位の「娘来て『誰もいないの?』オレいるよ」(チャッピー)や、第10位の「愛犬も 家族の番付 知っている」(ワンワンマン)。

     自分たちの夫婦関係を、冷めた視点で見つめる作品は、歴代の1位作品にも登場してきた。13年の「いい夫婦 今じゃどうでも いい夫婦」(マッチ売りの老女)、05年の「オレオレに 亭主と知りつつ 電話切る」(反抗妻)、00年「プロポーズ あの日にかえって ことわりたい」(恐妻男)。

     頭も体も弱り、それまで以上に助け合わなければいけなくなってくるシニア世代の夫婦。それなのに、絆が弱まっているとすれば……。もとには戻せない厳しい現実を、川柳のように、ユーモアとペーソスに包んでひらきなおるしかないのかも。

    11位から50位は?

     上位の句で目立つのは「マイナンバー」や「五郎丸」、「爆買い」といった流行語を使った作品。また、サラリーマンとして上司と部下の関係や世代間のギャップの悩みをシニカルにうたった作品も健闘した。11位から50位までの作品は以下の通り。

    歴代1位作品は?

     ダイエットにゆるキャラ、仕分け、脳年齢、ポケモン……。過去の第一生命サラリーマン川柳の1位作品を振り返ると、その時代の世相が見えてくる。

    【関連リンク】
    第29回第一生命サラリーマン川柳コンクールベスト10決定

    2016年05月25日 11時17分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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