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    トピックス社会

    秀吉の金箔瓦や縄文土器と並ぶ、割れたワイン瓶の正体

    メディア局編集部
    • 発掘されたビール転用瓶の破片(ワイン瓶)。左はビール転用のシャンパン瓶
      発掘されたビール転用瓶の破片(ワイン瓶)。左はビール転用のシャンパン瓶

     ほの暗い展示場に恭しく並べられる埋蔵文化財。といえば、縄文時代や弥生時代の土器や青銅器あたりを想像しがちだが、そこにあるのは紛れもなく、どこかの飲んべえが飲み干したとしか思えない、ただのワインの空き瓶。来場者はありがたく、空き瓶の由来を書いた説明を読んでいる――。

     シュールな光景だが、そんな展覧会が人気を集めているという。東京・両国の江戸東京博物館で開催中の「発掘された日本列島2016 新発見考古速報」。奇をてらった展示ではなく、文化庁などが主催するまじめな企画展である。

     埋蔵文化財の発掘は全国で年間8000件近く行われているが、報道などで世間に知られる成果はごくわずか。そこで、文化庁などが1995年度から始めたのが、学術性や新奇性の高い出土品をピックアップした展示方法。今回の展覧会でも弥生時代の銅剣や戦国時代の豊臣氏遺構・伏見城の金箔(きんぱく)瓦片など、様々な発掘調査の成果541点が堂々展示されている。そして、「近世」を代表する発掘品が、くだんの空き瓶というわけ。

    • 復刻された「TOYODA BEER」と江戸博。隣にグラスがあれば言うことなし
      復刻された「TOYODA BEER」と江戸博。隣にグラスがあれば言うことなし

     これは、東京・多摩地区で1886年(明治19年)から約10年間製造されていた「豊田(とよだ)ビール」の工場跡(東京都日野市豊田)から出土したもの。ワイン瓶はビール瓶の代わりに使われていたもので、レンガ造りのビール貯蔵所があった場所や蔵などから、瓶の破片のほかラベル、コルク栓なども見つかった。これも日本の近代化を伝える重要な文化財なのだ。

     さて、飲んべえなら興味があるのは、瓶ではなく中身のほうだろうが、ご心配なく。会場では復刻された「TOYODA BEER」も販売しているので、お好きな向きはどうぞ。残念ながら昔の醸造法を残した資料はなく、当時の新聞広告で紹介されていたドイツ式醸造法をもとに作られた本格的なラガータイプだそうだ。

     同博物館では7月24日まで、常設展示室内で開催している(常設展観覧料は大人600円、大学生以下と65歳以上は別料金)。17年2月まで大津、秋田、高知、北九州での巡回展を予定している。

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    2016年06月14日 11時03分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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