韓国大統領に文在寅氏~日本への影響は
最新ニュースまとめ
安倍首相、文大統領と電話会談…対北連携を確認
安倍首相は11日、韓国の文在寅大統領と電話で約25分間会談し、大統領就任に祝意を伝えた。首相は「未来志向の日韓関係を築いていきたい」と述べ、文氏は「良い信頼関係を構築するために努力していきたい」と応じた。
北朝鮮による核・ミサイル問題では、連携して対応する考えを確認した。
文氏、韓国大統領に就任…「条件整えば平壌へ」(5月10日)
韓国の中央選挙管理委員会は10日朝、大統領選の当選者を左派「共に民主党」の文在寅前代表(64)と公式に確定し、文氏は大統領に就任した。
任期は5年で再任はない。文氏は同日午後の就任宣誓で演説し、北朝鮮の核問題をめぐる安全保障の危機の解決のため「必要ならばワシントンに飛んでいく」と述べ、米韓同盟の強化を訴えた。午後1時過ぎ、
中央選管の確定投票結果によると、文氏の得票は1342万3800票(得票率41・08%)。2位は保守系「自由韓国党」の
文氏は国会で行った就任宣誓での演説で、北朝鮮による核実験や弾道ミサイル発射などの挑発を踏まえ、「安保危機を急いで解決する」と強調した。「朝鮮半島の平和のために東奔西走する。必要であればすぐにワシントンに飛んでいく。北京と東京にも行き、条件が整えば平壌にも行く」と述べた。早期に訪米して、トランプ米大統領との首脳会談を行う意向を示すとともに、持論である金正恩朝鮮労働党委員長との南北首脳会談にも意欲を示した。
首相候補に知日派の李洛淵氏…東京特派員も(5月10日)
韓国の文在寅新大統領が首相候補に指名することが内定した
文氏は早期に人事を固め、政権を安定させたい考えだ。
首相就任までには、国会の人事聴聞会を経て過半数の承認を得ることが必要だ。
李氏は10日午前、ソウル市内で記者会見し、「庶民や青年の苦しい生活を安定させることが急務だ」と述べた。
李氏は有力紙・東亜日報で21年間記者生活を送り、1990年から数年間、東京特派員も務めた。2000年に民主党(現・共に民主党)から出馬して国会議員となり、4期連続当選を果たした。韓日議員連盟の副会長を務めたことから日本の政界にも人脈がある。
安倍首相、文氏と関係構築急ぐ考え…電話会談へ調整(5月10日)
安倍首相は10日昼、首相官邸で開かれた政府・与党連絡会議で、韓国の文在寅新大統領の就任について、「韓国は戦略的利益を共有する最も重要な隣国であり、北朝鮮問題で連携して対処するとともに、未来志向の日韓関係を発展させていきたい」と語り、緊迫化する北朝鮮問題に対応するため、文氏との関係構築を急ぐ考えを示した。
日本政府は、首相と文氏との電話会談を早期に実施する方向で調整している。また、7月にドイツのハンブルクで開かれる主要20か国・地域(G20)首脳会議や9月に米ニューヨークで開かれる国連総会に合わせ、首脳会談の開催も検討する。
アメリカ「韓国と同盟強化へ期待」(5月10日)
米ホワイトハウスのスパイサー報道官は9日、韓国の文在寅氏の次期大統領選出を祝福する声明を発表し、「文次期大統領と共に米国と韓国の同盟を強化し、両国間の不朽の友情と協力関係を深化させていくことを期待している」と表明、関係強化を呼びかけた。また、スパイサー氏は同日の定例記者会見で、「トランプ大統領は文氏と会い、(米韓の)共通の利益について議論することを楽しみにしている」とも述べ、早期の米韓首脳会談開催に期待感を示した。
慰安婦合意、再交渉を主張(5月10日)
韓国大統領選は9日、投開票が行われ、北朝鮮に融和的な左派の最大野党「共に民主党」の文在寅前代表(64)が当選を確実にした。
9年ぶりに保守から左派に政権が交代する。新大統領は10日に就任する。任期は5年で再任はない。文氏は2015年末の慰安婦問題をめぐる日韓合意の再交渉を公約に掲げており、公約通りに実行に移せば、日韓関係が悪化する可能性がある。
文氏は9日深夜、朴槿恵前大統領の退陣を求める大規模デモの舞台だったソウル中心部の広場で、勝利宣言を行った。文氏は「偉大な国民による偉大な勝利だ」と声を張り上げ、「私を支持しなかった人たちにも仕え、国民を統合する大統領になる。国民だけを見て、正しい道を行く」と訴えた。
韓国大統領選2017~ダイジェスト
雇用「バラマキ公約」批判(5月6日)
9日投開票の韓国大統領選は安全保障と並び、雇用問題が重要争点となっている。最大の貿易相手国である中国の景気減速や内需低迷という「内憂外患」の中、各候補とも成長戦略を描けず、バラマキ公約ばかりだと批判されている。
「私は雇用大統領になる」。世論調査でリードする左派の最大野党「共に民主党」の文在寅候補は、公共部門で81万人分を新規創出すると訴える。文氏を追って2位につける中道左派の野党第2党「国民の党」の安哲秀候補は「大企業は国内で雇用創出する余力はもはやない」とし、中小企業とベンチャー支援による民間雇用創出を掲げる。
両候補が雇用対策に力を入れるのは、失業率が高止まりしているからだ。2016年の若年層(15~29歳)失業率は過去最悪の9・8%。17年1~3月の大卒失業者は初めて50万人を突破した。しかし、輸出と製造の2大エンジンで韓国経済と雇用を
強すぎる労働組合も問題だ。現代自動車労組は、1000万円近い給料を得ながら待遇改善を訴えてストを繰り返し、「労働貴族」と呼ばれる。高騰する人件費は海外生産につながり、韓国メーカー5社の海外生産台数は昨年、国内生産台数を初めて追い越した。
保守系与党「自由韓国党」の
候補者はSNS合戦 偽ニュースも急増(5月4日)
韓国大統領選の投開票日(9日)まで1週間を切った。各候補はフェイスブックやツイッター、ブログなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて、候補のメッセージや政策内容などを連日発信し、支持拡大を図っている。候補を批判する「フェイク(偽)ニュース」も急増し、インターネット上での攻防が激化している。
支持率トップの最大野党「共に民主党」候補、文在寅前代表の陣営は、SNS上で政策を解説する番組を制作しているほか、市民からの応援メッセージなどを随時公開するブログも設けている。
各候補は4~5日の期日前投票で、支持者が投票を終えた証拠の写真や動画も活用する計画だ。1月の公職選挙法改正で、候補側は投票日当日も、こうした写真をSNSなどで発信し、投票を促す選挙運動が可能となった。各候補は支持者の国会議員や著名人を総動員する方針だ。
SNSの活用とともに偽ニュースの増加も問題化している。中央選管が選挙期間中に摘発した「虚偽事実の公表・中傷」による公選法違反は4月30日現在、2万2970件で、前回選より約5・7倍に増加した。
文氏が北朝鮮の金正日総書記に手紙を送っていたなどの虚偽情報が出回り、文氏陣営は選管に削除を要請するなど対応に追われている。1日には、与党「自由韓国党」候補の洪準杓氏の支持率が野党第2党「国民の党」候補、安哲秀前代表を抜いて「2位になった」などとウソの世論調査結果を流したとして、洪氏の陣営関係者など計5人が刑事告発された。
THAAD議論が再燃 アメリカが10億ドルの負担要求(5月2日)
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朴槿恵前大統領の弾劾(だんがい)に反対した人たちは、韓国国旗とともに星条旗を振って、在韓米軍への最新鋭ミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」配備に賛成する(4月29日、ソウルで)
トランプ米大統領が4月27日、ロイター通信のインタビューで在韓米軍へのTHAAD配備について「韓国が10億ドル(約1115億円)の費用を負担することが適切」と発言し、韓国国内で波紋を呼んでいる。米韓は昨年7月に締結したTHAAD配備に関する約定で、韓国が敷地や施設を提供し、運営と維持の費用は米国が負担することで合意していた。発言はこれを覆すもので、韓国は米国の真意を測りかねている。韓国大統領選(9日投開票)の候補者間でも議論が再燃している。
THAADの主要装備は、配備先の韓国南部・
韓国大統領府は4月30日、韓国の
米韓の見解不一致を受け、韓国大統領選の支持率トップを走る文在寅前代表は30日、遊説先で「(韓国の)現政権は国民に正直に話さず、だましたのではないか」と批判した。その上で、「国会批准が必要で、新政権が(配備の是非を)決めなければならない」と語った。文氏は一時、北朝鮮の相次ぐ挑発行為を受け、THAAD配備は「(韓国の安全保障に)役に立つこともある」と述べたこともあったが、再び否定的な姿勢を強めた形だ。文氏を追う野党第2党の中道左派「国民の党」候補、安哲秀前代表は30日、「米韓の公式合意で米国が費用を負担することになっている。(米国は)約束を守らなければならない」と述べた。
「融和」批判の洪氏が支持上昇(4月28日)
5月9日投開票に向け中盤戦に入った韓国大統領選では、保守層の支持動向が勝敗の大きなカギを握る。中道左派の野党第2党「国民の党」の安哲秀前代表はテレビ討論会で保守層にアピールできず、左派の野党第1党「共に民主党」の文在寅前代表に引き離されつつある。
世論調査機関「リアルメーター」の調査(24~26日)による支持率は文氏44・4%、安氏22・8%。保守系与党「自由韓国党」の
「労働者の3%にも満たない『貴族労働組合』の横暴を防ぎ、若者の雇用をつくる。北朝鮮に追従する勢力を放置しない。私は『安保大統領』になる」。洪氏は27日、
文氏の「北朝鮮観」に批判 テレビ討論会(4月23日)
韓国大統領選の主要政党5候補によるテレビ討論会が23日夜、行われた。北朝鮮の挑発が続く中、支持率トップの左派「共に民主党」の文在寅前代表の融和的な「対北朝鮮観」が保守系候補から激しい批判を受けた。
文氏をめぐっては、左派の
文在寅氏と安哲秀氏 左派の2強が舌戦(4月17日)
文氏は17日午前、朴前大統領の地盤でもあった保守の牙城、南東部・
文氏、THAAD容認 情勢緊迫 現実路線に(4月14日)
韓国大統領選に向け、「安保」が重要な争点として急浮上している。挑発を続ける北朝鮮に対し、米国が空母派遣などの強硬姿勢を見せて緊張が高まる中、勝敗のカギを握る中道保守層の有権者が各候補の安保観を重視しているためだ。北朝鮮に融和的な発言を繰り返してきた左派「共に民主党」の文前代表(64)も、現実路線に転換しようとしている。
「北朝鮮にはっきりと警告する。私たちの忍耐にも限界がある。韓国軍は北朝鮮に再起不能の打撃を加える圧倒的戦力を保有している」。文氏は、11日に急きょ開かれた安保問題に関する党の会合で異例の強硬発言を披露した。朴槿恵政権が進めた在韓米軍への最新鋭ミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」の配備について、文氏はこれまでの否定的な態度を一変させ、「北朝鮮が核による挑発を続け、中国が北朝鮮を抑止できないのなら、配備は不可避だ」と述べた。