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    熊本地震

    熊本地震1年~4万5000人がなお仮設生活

     震度7の激震が2度襲った昨年4月の熊本地震から1年がたちました。被災地は再建に向けて着実に歩み始めています。一方で、避難者数が最大約18万4000人に上った熊本県内では、なお約4万5000人が仮設住宅などで暮らしていて、大きな被害を受けた熊本城や寸断されたJR豊肥線の復興には、長い時間がかかるとみられています。被災地の様子や被害状況をまとめました。

    本震1年~少しずつ前へ

    • (1)17年4月16日撮影
      (1)17年4月16日撮影
    • (2)17年4月16日撮影
      (2)17年4月16日撮影

    (1)東海大の学生が亡くなったアパート跡に花を手向ける同級生ら
    (2)息子夫婦が滞在していた山荘跡を訪れ、2人を悼む鳥居政次さん(右から2人目)ら遺族

    鎮魂の祈り~遺族ら復興誓う

    • (1)17年4月14日午後9時26分撮影
      (1)17年4月14日午後9時26分撮影

    (1)熊本地震は14日、「前震」の発生から1年を迎えた。熊本県内の仮設住宅では発生時刻の午後9時26分に合わせ、住民らが黙とうをささげた。

    • (2)17年4月14日撮影
      (2)17年4月14日撮影
    • (3)17年4月13日撮影
      (3)17年4月13日撮影

    (2)前震で亡くなった宮守陽子さん方の自宅跡で手を合わせる男性。
    (3)自宅は倒壊したが仮設住宅に入らず、15年前まで営んでいた酪農の牛舎で生活する今吉カシコさん。

    熊本城~復旧に20年

    • (1)17年4月9日、本社機から
      (1)17年4月9日、本社機から

    (1)瓦の大部分が落下したままになっている熊本城の天守閣。時間がたつにつれて損

    傷が進んでいるようだ。

    • (2)16年4月17日撮影
      (2)16年4月17日撮影
    • (3)16年4月22日撮影
      (3)16年4月22日撮影

    (2)(3)震災直後の熊本城。宇土(やぐら)など国指定重要文化財13棟が損傷し、総表面積約7万9000平方メートルの石垣のうち約1割が崩落した。熊本市は天守閣を3年で、全体を20年かけて復旧するとしている。
    熊本地震に関連するニュースはこちら

    益城町~2度の震度7に襲われた町

    • (1)17年4月9日、本社機から
      (1)17年4月9日、本社機から

    (1)倒壊した建物の解体や撤去が進み、更地が目立つようになった益城町中心部。南側を流れる秋津川(右下)沿いは桜並木が見頃を迎えていた。

    • (2)16年5月12日、本社機から
      (2)16年5月12日、本社機から
    • (3)16年7月13日撮影
      (3)16年7月13日撮影


    (2)地震後1か月ほどたった頃。倒壊した家屋や応急的に掛けられたブルーシートが目立っていた。
    (3)本震から3か月後の益城町中心部。壊れた家屋がそのまま残っていた。

    阿蘇大橋~寸断された大動脈

    • (1)17年4月9日、小型無人機で
      (1)17年4月9日、小型無人機で

    (1)南阿蘇村の阿蘇大橋崩落現場。国道57号、JR豊肥線など大動脈はいまだ寸断されたままだ。

    • (2)16年4月18日、本社機から
      (2)16年4月18日、本社機から
    • (3)16年8月10日撮影
      (3)16年8月10日撮影


    (2)国道57号から南阿蘇村へ向かう観光ルートにあるアーチ橋「阿蘇大橋」(全長約200メートル)は、村側の欄干と対岸の基礎部分を残して崩落した。
    (3)阿蘇大橋の下流では16年8月、ただ一人行方不明となっていた大和晃さんの捜索が行われた。5月に捜索は一度中断されていたが、大和さんの両親が7月24日、地中に埋まった車を見つけたことで、捜索が再開。遺体は8月10日に発見された。

    再点検進む活断層リスク

    • (1)16年4月16日、本社機から
      (1)16年4月16日、本社機から
    • (2)国内の主な活断層帯と30年以内の地震発生確率
      (2)国内の主な活断層帯と30年以内の地震発生確率


    (1)熊本地震の本震で農地に現れたとみられる断層。
    (2)国内の主な活断層帯と30年以内の地震発生確率。次の大地震に備え、活断層の再評価やリスクを住民に伝える方法などの見直しが進められている(→記事へ

    熊本地震の被害状況

    熊本地震の被災規模と現状(17年4月13日現在)

    その他の被害(17年3月末現在)

    分野 被害詳細
    製造・サービス
    単位:億円(推計額)
    製造業 6030
    商業・サービス業 1640
    観光業(宿泊業) 530
    被害総額 8200
    農林水産
    単位:億円
    農業(畜産含む) 1305.4
    林業 438.1
    水産 33.8
    合計 1777.3
    被害詳細 農作物の損傷 331ヘクタール
    農業用ハウスの損傷 796か所
    農業用施設の損壊 8044か所
    死んだ牛・鶏など 32万5367頭(羽)
    林地荒廃 439か所
    漁業施設の被害 61か所

    (熊本県まとめ)

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    関連死 車中泊経験25%

    • 本震直後の避難所の駐車場。車中泊をする避難者が多く、肺塞栓症(エコノミークラス症候群)が問題となった(16年4月17日、益城町で)
      本震直後の避難所の駐車場。車中泊をする避難者が多く、肺塞栓症(エコノミークラス症候群)が問題となった(16年4月17日、益城町で)

     発生から間もなく1年を迎える熊本地震で震災関連死に認定された170人のうち、車中泊を経験した人が少なくとも42人(25%)、避難所や高齢者施設などでの避難生活を経験した人が少なくとも61人(36%)(いずれも重複あり)に上ることが読売新聞の調査で分かった。過酷な避難生活で持病を悪化させた高齢者の関連死が多く、避難環境の改善が必要であることが浮き彫りになった。(→記事へ)(17年4月12日)

    熊本城大天守に鉄骨3本搬入、復旧工事が本格化

     熊本地震により大きな被害を受けた熊本城(熊本市中央区)で進められている復旧工事で12日、工事用の足場を組むための鉄骨3本が天守閣に搬入された。天守閣は大型連休頃から工事用シートで徐々に覆われるため、外装工事が完了する2019年1月頃まで、建物の全体は見られなくなる。

     天守閣は1960年に復元された鉄筋コンクリート造りで、南側に大天守(地上6階、地下1階)、北側に小天守(地上4階、地下1階)がある。地震では屋根瓦が落ちたり、天守閣内部の石垣が崩れたりするなどの被害を受け、立ち入りが禁止されている。

     12日は、大天守最上階の展望室に、大型クレーンを使って鉄骨(長さ約18メートル)を搬入。工事を請け負う大林組によると、鉄骨で最上階を囲むように足場を組むという。

    阿蘇山周辺地殻、10倍軟弱…震度7地域に比べ

     シンガポールの南洋理工大学や建築研究所(茨城県つくば市)などの国際研究チームは、昨年4月の熊本地震後の解析で、震度7を記録した熊本県益城町ましきまちの地殻より、阿蘇山周辺の地殻が約10倍軟らかいとする研究結果を発表した。地震で地殻が変形し、昨年10月の阿蘇山の噴火などに影響を与えた可能性もあると推定している。14日の米科学誌サイエンスに掲載される。(→記事へ)(17年4月14日)

    「新阿蘇大橋」20年度開通目標

     国土交通省は16日、熊本地震で崩落した阿蘇大橋(熊本県南阿蘇村)に代わる新しい橋と、寸断された国道57号の代替路となる復旧ルートについて、いずれも2020年度中の開通を目指すと発表した。本震では、熊本市方面と南阿蘇村中心部を結ぶルートにあった阿蘇大橋(全長約200メートル)が崩落し、国道57号も大橋につながる部分を中心に土砂崩れで寸断された。

     新たな橋は全長約350メートルで、元の場所から約600メートル南側に建設する。国道57号の北側に整備する復旧ルート(総延長約13キロ)は片側1車線で、大津町と阿蘇市を結ぶ。(→記事へ)(17年4月17日)


    震災当時のニュースまとめ・写真特集はこちら

    2017年04月17日 10時45分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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