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    まとめ読み「NEWS通」

    藤井聡太四段、歴代1位に並ぶ28連勝

     将棋の最年少プロ棋士・藤井聡太四段(14)は21日の対局で勝利し、連勝記録を歴代最多タイの「28」としました。藤井四段は昨年12月のデビュー以来無敗のままで、神谷広志八段が1986年度から87年度にかけて作った記録に並びました。これまでの足跡を振り返ります。(肩書や年齢などは当時)

    歴代1位に並ぶ28連勝を達成…(2017年6月21日)

    • 王将戦予選で、初手を指す藤井聡太四段(21日午前10時、大阪市福島区で)=里見研撮影
      王将戦予選で、初手を指す藤井聡太四段(21日午前10時、大阪市福島区で)=里見研撮影

     将棋の最年少棋士・藤井聡太四段(14)は21日、大阪市の関西将棋会館で行われた王将戦予選で澤田真吾六段(25)に99手で勝利した。自身の持つデビュー以来の連勝記録を「28」に伸ばし、神谷広志八段(56)が1986―87年度に作った歴代最多連勝記録に並んだ。新記録樹立がかかった次戦は26日の竜王戦本戦一回戦。増田康宏四段(19)と対局する。

     午前10時に始まった対局は、角を交換した後、互いに5筋に銀が進出する「角換わり腰掛け銀」の戦型。中盤の攻防で優位に立った藤井四段がそのまま押し切った。

    平仮名より早く覚えた将棋

    • 師匠の杉本昌隆七段(左)と笑顔で記者会見する藤井聡太四段(21日午後、大阪市福島区の関西将棋会館で)=尾賀聡撮影
      師匠の杉本昌隆七段(左)と笑顔で記者会見する藤井聡太四段(21日午後、大阪市福島区の関西将棋会館で)=尾賀聡撮影

     昨年10月、史上最年少の14歳2か月でプロ入りした藤井聡太四段は、幼い頃から勝負師の片鱗(へんりん)を見せていた。

     「自宅の庭の木に登るのが得意な、どこにでもいるふつうの子供。でも、一つのことをやりだしたら止まらないタイプだった」と振り返るのは、母親の裕子さん(47)。3歳の頃、溝や穴がある立方体を積み木のように重ね、ビー玉が通る道を作るスイス製の立体パズル玩具に夢中になり、時間を忘れて遊んだ。

     将棋との出会いは5歳の時。家にあった将棋盤セットで、祖父母から手ほどきを受けた。平仮名よりも早く将棋を覚え、すぐに祖父を負かすまでに上達した。近所の将棋教室に週4日通い、分厚い将棋の本を約1年で暗記するなど、人並み外れた集中力で、腕前はみるみる上達していった。

    27連勝、歴代1位にあと1勝…(2017年6月17日)

     デビューから無敗を続ける将棋の最年少棋士、藤井聡太四段(14)が17日、大阪市の関西将棋会館で行われた朝日杯将棋オープン戦予選でアマ強豪の藤岡隼太(はやた)さん(19)を破り、自身の持つ歴代2位の連勝記録を27に伸ばした。歴代1位にあと1勝と迫った。

    26連勝、歴代1位まであと「2」…(2017年6月15日)

    • 瀬川晶司五段に勝利し、対局を振り返る藤井聡太四段(15日午後11時14分、大阪市福島区で)=近藤誠撮影
      瀬川晶司五段に勝利し、対局を振り返る藤井聡太四段(15日午後11時14分、大阪市福島区で)=近藤誠撮影

     藤井聡太四段は15日、大阪市福島区の関西将棋会館で行われた順位戦C級2組で瀬川晶司五段(47)に午後10時53分、108手で勝利し、自身の持つデビュー以来の公式戦連勝記録を「26」に更新した。全棋士対象の連勝記録としての歴代2位は変わらず、神谷広志八段(56)が1986~87年度につくった「28」まであと2勝に迫った。

     名人戦の予選にあたる順位戦は、持ち時間各6時間の長丁場。序盤で藤井四段から角を交換した後、先手の瀬川五段が積極的に攻勢を取った。一時は有利になった藤井四段だったが、瀬川五段のねばり強い指し回しで終盤は混戦に。長考で落ち着きを取り戻した藤井四段が辛くも逃げ切った。

    公式戦連勝「25」に…歴代単独2位(2017年6月10日)

    • デビュー以来の公式戦連勝記録を25に伸ばし、歴代の連勝記録で単独2位になった藤井四段(左)
      デビュー以来の公式戦連勝記録を25に伸ばし、歴代の連勝記録で単独2位になった藤井四段(左)

     藤井聡太四段は10日、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で行われた叡王(えいおう)戦予選で2連勝し、自身の持つデビュー以来の公式戦連勝記録を25に更新した。全棋士の連勝記録としては歴代単独2位になった。

     今年から八大タイトルの一つとなった叡王戦は、この日が開幕。インターネット上で生中継された。持ち時間は各1時間で、時間が切れたら1手1分で指す。藤井四段は午前10時からの1局目で梶浦宏孝四段(21)に108手で、午後7時からの2局目で都成竜馬(となりりゅうま)四段(27)にやはり108手で勝利した。終局後、藤井四段は「25連勝まで来られて幸運だと思います」と話した。

    驚異の「平常心」

     自身の持つデビュー以来の公式戦連勝記録を25に伸ばし、歴代の連勝記録でも単独2位となった将棋の藤井聡太四段。この日も目立ったのが、中学3年生とは思えない落ち着きだ。その平常心が周囲を驚かせている。

     「(この日の将棋は)序盤から難しくて、なかなか決めきれなかった。まだまだ(歴代最高の)28連勝までは遠いです」。都成竜馬四段(27)を108手で破った2局目の後、藤井四段はいつものように淡々と感想を話した。

     この日午前10時からの1局目では、「角換わり腰掛け銀」の戦型から積極的に攻勢に出て快勝した藤井四段。「ここまで来られるとは思わなかった。信じられない気持ちです」。局後にそう話していた。2局目は都成四段が5筋に飛車を振る「中飛車」にし、後手の藤井四段が居飛車で対抗。徐々に藤井四段が優位を広げて、そのまま押し切った。

    羽生三冠抜き23連勝(2017年6月7日)

    • 公式戦連勝記録を23に伸ばし、対局を振り返る藤井聡太四段
      公式戦連勝記録を23に伸ばし、対局を振り返る藤井聡太四段

     藤井聡太四段は7日、大阪市福島区の関西将棋会館で行われた「上州YAMADAチャレンジ杯」の1~3回戦に勝ち、本人の持つデビュー以来の公式戦連勝記録を23に伸ばした。歴代記録でも、羽生善治三冠(46)ら3人が記録した22連勝を抜き、単独3位となった。

     同杯は、五段以下でプロ入り15年以下の棋士とアマチュア強豪による持ち時間各20分のトーナメント戦。藤井四段は、1回戦で都成竜馬四段(27)、2回戦で阪口悟五段(38)を破った後、3回戦では、宮本広志五段(31)に対して着実な攻めで優位を築き、午後4時38分、141手で勝利を収めた。藤井四段は「一局一局という気持ちで指してきた。ここまで来られたのは驚きで、うれしい」と話した。

    「千日手」指し直し制し20連勝(2017年6月2日)

    • 公式戦連勝記録を20に伸ばした藤井四段
      公式戦連勝記録を20に伸ばした藤井四段

     藤井聡太四段は2日、大阪市の関西将棋会館で行われた棋王戦予選で澤田真吾六段(25)と対局し、同じ局面を繰り返して勝負がつかなくなる千日手となった後、指し直し局で午後8時27分、155手で勝利した。デビュー以来の公式戦連勝記録を歴代6位タイの20に伸ばした。

     棋王戦本戦トーナメント進出を決めた藤井四段は「全体的に苦しい将棋で、(20連勝は)自分の実力からすると僥倖(ぎょうこう)としか言いようがない」と話した。

    「終盤力」に大興奮

     途中の劣勢を持ち前の「終盤力」で見事にはね返し、逆転勝ちを収めた。熱戦を見守った師匠らからは「20連勝という節目を果たしてくれた」と称賛の声が上がった。

     「(局面が)動いてる!」――。藤井四段の師匠・杉本昌隆七段(48)は、名古屋市東区にある教室に「大盤」を用意し、指導する子供ら約15人と対局を見守った。中盤以降、相手の澤田真吾六段に押し込まれ、「今日はこれまでで一番のピンチ」(杉本七段)という苦しい展開に。しかし終盤に藤井四段の妙手で流れをつかむと、教室内はにわかに熱気に包まれた。そして午後8時27分、澤田六段が投了。その瞬間、「勝った!」「大逆転!」との声と拍手が上がった。

    非公式戦で羽生三冠破る(2017年4月23日)

    • 羽生三冠(右)を破った藤井四段 
      羽生三冠(右)を破った藤井四段 

     インターネットテレビ局の「AbemaTV」で23日に放送された将棋の非公式戦の対局で、史上最年少棋士の藤井聡太四段(14)が羽生善治三冠(46)に勝利した。対局後、藤井四段は「読みにない手を羽生先生に指されて、対局中は焦りました。何とか勝ちましたが、勝負術が勉強になりました」と話した。

     同TVは、藤井四段と佐藤康光九段(47)、深浦康市九段(45)らトップ棋士が七番勝負で対局する特別企画を実施していて、最終戦が羽生三冠戦だった。藤井四段は、若手実力者の永瀬拓矢六段(24)に敗れたものの、7局戦って6勝1敗だった。

    「最年長」対「最年少」~62歳差対局制す(2016年12月24日)

    • デビュー戦で加藤九段(左)に勝利した藤井四段
      デビュー戦で加藤九段(左)に勝利した藤井四段

     史上最年少棋士・藤井聡太四段が現役最年長・加藤一二三九段に勝利した竜王戦6組ランキング戦。東京都渋谷区の将棋会館には、50人を超す関係者・報道陣が集まり、62歳差の対局を見守った。

     愛知県出身の藤井四段は中学生でプロ入りを果たした史上5人目の棋士。加藤九段は名人などを獲得した強豪で、藤井四段に破られるまで14歳7か月の最年少プロ入り記録を持っていた。

     学生服姿の藤井四段は午前9時25分、紺色のスーツの加藤九段は同9時30分に特別対局室に入室し、ともに気合が入った表情で午前10時の対局開始を迎えた。約30社の報道陣が2人を囲み、窓ガラスが白く曇った対局室。振り駒の結果、先手番となった加藤九段が指した初手は▲7六歩。すぐに藤井四段も△8四歩と応じ、矢倉の戦型へと進んだ。

     「加藤九段の得意な戦型を堂々と指していて、藤井四段は度胸がある」と話したのは、将棋会館を訪れた渡辺明竜王。加藤九段が攻め、藤井四段が受ける展開。激戦の末、午後8時43分、110手で藤井四段が勝利を収めた。藤井四段の14歳5か月での勝利は、プロ棋戦では史上最年少の記録。控室を訪れて、検討の輪に加わっていた上村亘四段は「棋士の間でも、注目度の高い将棋。10年後、20年後に語りぐさになるだろう」と話した。棋士会長の佐藤康光九段は、「将棋ファンなら誰もが見たかった対局。藤井さんにとっては、将来の財産になるだろう」と“歴史的対局”の意義を強調した。

     対局後、藤井四段は「加藤先生と指してもらえるので、後手番なら矢倉にしようと思っていた。途中ちょっと苦しくしたと思ったが、最後に何とか勝ちにできた」と話した。加藤九段は「今日は非常にうまく負かされた。(藤井四段は)大局観が素晴らしく、特に攻めが強かった」と話した。

    藤井四段、連勝の歩み

    対局日 対局相手 棋戦名
    1 16/12/24 加藤一二三・九段 竜王戦6組
    2 17/1/26 豊川孝弘・七段 棋王戦予選
    3 2/9 浦野真彦・八段 竜王戦6組
    4 2/23 浦野真彦・八段 NHK杯予選
    5 2/23 北浜健介・八段 NHK杯予選
    6 2/23 竹内雄悟・四段 NHK杯予選
    7 3/1 有森浩三・七段 王将戦予選
    8 3/10 大橋貴洸・四段 新人王戦
    9 3/16 所司和暗・七段 竜王戦6組
    10 3/23 大橋貴洸・四段 棋王戦予選
    11 4/4 小林裕士・七段 王将戦予選
    12 4/13 星野良生・四段 竜王戦6組
    13 4/17 千田翔太・六段 NHK杯本戦
    14 4/26 平藤真吾・七段 棋王戦予選
    15 5/1 金井恒太・六段 竜王戦6組
    16 5/4 横山大樹アマ 新人王戦
    17 5/12 西川和宏・六段 王将戦予選
    18 5/18 竹内雄悟・四段 加古川青流戦
    19 5/25 近藤誠也・五段 竜王戦6組
    20 6/2 澤田真吾・六段 棋王戦予選
    21 6/7 都成竜馬・四段 YAMADA杯
    22 6/7 阪口悟・五段 YAMADA杯
    23 6/7 宮本広志・五段 YAMADA杯
    24 6/10 梶浦宏孝・四段 叡王戦予選
    25 6/10 都成竜馬・四段 叡王戦予選
    26 6/15 瀬川晶司・五段 順位戦
    27 6/17 藤岡隼太・アマ 朝日杯
    28 6/21 澤田真吾・六段 王将戦予選

    空前の将棋ブーム~グッズ完売、将棋教室人気(2017年6月8日)

    • 「大志」と書かれた扇子。新人での発売は異例。
      「大志」と書かれた扇子。新人での発売は異例。

     14歳の快進撃はファンの心を確実につかんでいる。日本将棋連盟が7日、東京・千駄ヶ谷の将棋会館と大阪市の関西将棋会館で発売した藤井四段の扇子は、東西で即日完売、関西だけで約100本を売り上げた。

     通常、扇子は、タイトル保持者などの一流棋士が作るもので、新人の作製は異例。「大志」と書かれた扇子を買い求めた大阪市天王寺区の無職・伊藤俊一さん(75)は「若い人の活躍は素晴らしいですね」と話した。

     関西将棋会館開催の子ども教室の新規入会者は1~4月で計47人と、昨年同期(27人)の約1・7倍になった。スマートフォンなどのゲームアプリ「将棋ウォーズ」を配信する「HEROZ(ヒーローズ)」(東京)の新規会員登録者は、今年に入って約30万人増加。同社では「藤井四段の活躍で若者や女性が将棋に興味を持つようになった」と分析している。

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    • 将棋大会で対局に臨む子供時代の藤井四段(2009年頃撮影、母・裕子さん提供)
      将棋大会で対局に臨む子供時代の藤井四段(2009年頃撮影、母・裕子さん提供)
    • 将棋大会で優勝し、表彰状を手に笑顔を見せる当時7歳の藤井四段(2010年撮影。母・裕子さん提供)
      将棋大会で優勝し、表彰状を手に笑顔を見せる当時7歳の藤井四段(2010年撮影。母・裕子さん提供)
    2017年06月22日 10時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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