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    まとめ読み「NEWS通」

    第30期竜王戦七番勝負~羽生「永世七冠」

    第5局:局面

     将棋界の最高棋戦で、渡辺明竜王(33)に羽生善治棋聖(47)が挑む、第30期竜王戦七番勝負第5局(読売新聞社主催)は4日から鹿児島県指宿市の指宿白水館で行われ、5日午後4時23分、羽生棋聖が87手で勝ちました。

     羽生棋聖は4勝1敗で15年ぶりの竜王位を獲得し、通算7期で「永世竜王」を名乗る資格を得ました。永世称号のある七つのタイトル全てで称号を獲得する「永世七冠」を史上初めて達成しました。本棋戦の解説と局面をまとめました。

     ◇写真で見る「第30期竜王戦七番勝負」は、こちら

    動画「羽生永世七冠」


    第5局~指宿白水館(鹿児島県指宿市)

    羽生棋聖、渡辺竜王を破る(12月5日)

     将棋界の最高棋戦で、渡辺明竜王(33)に羽生善治棋聖(47)が挑戦する、第30期竜王戦七番勝負第5局(読売新聞社主催)2日目の経過。
     羽生は封じ手(▲4六飛)で飛車を切って馬を取り、優勢に。終盤になっても▲5七角と打った後、1三に馬を作ってからの▲1五香で全軍躍動の形を作り、差を広げて勝ちきった。

    羽生 緩急自在の終盤(12月5日)

     第30期竜王戦七番勝負第5局(読売新聞社主催)が5日午前9時、鹿児島県指宿市の指宿白水館で再開された。

     「永世竜王」、「永世七冠」が懸かる挑戦者の羽生棋聖が3勝1敗で迎えた対局の再開時には報道陣約50人が集まった。角換わりの戦型になり、中盤の難所で封じ手を迎えていた。立会人の青野照市九段が開いた羽生棋聖の封じ手は飛車を切る▲4六飛だった。羽生棋聖が▲3四銀と攻めを継続すると、渡辺竜王は△5七飛成と竜を作った。そこで羽生棋聖は▲6八銀と自陣に手を入れた。
     解説の飯島栄治七段は、「羽生棋聖は鋭く攻めた直後に手堅く受け、終盤で緩急自在の指し回しを披露しています」と話している。

    羽生 決断の局面(12月4日)

     第30期竜王戦七番勝負第5局(読売新聞社主催)が4日午前9時、鹿児島県指宿市の指宿白水館で始まり、午後6時、羽生棋聖が47手目を封じて1日目を終えた。
     「永世竜王」と「永世七冠」が懸かる挑戦者の羽生棋聖が3勝1敗で迎えた本局は、今シリーズ初の角換わりの戦型になった。羽生棋聖の腰掛け銀に対し、8一飛・6二金型から渡辺竜王が△3一玉と構えた手が珍しく、羽生棋聖は▲4五銀から▲2五桂と仕掛けた。互いの読みがぶつかりあう力戦になっている。
     封じ手は中盤の難所。解説の飯島栄治七段は「飛車を切って踏み込む筋が有力で、羽生棋聖は決断の局面を迎えました。このまま終盤戦に突入しそうです」と話している。

    角換わりの戦い(12月4日)

    • 第5局で初手を指す羽生善治棋聖(左)と渡辺明竜王(4日午前9時、鹿児島県指宿市で)=大原一郎撮影
      第5局で初手を指す羽生善治棋聖(左)と渡辺明竜王(4日午前9時、鹿児島県指宿市で)=大原一郎撮影

     第30期竜王戦七番勝負第5局(読売新聞社主催)が4日午前9時、鹿児島県指宿市の指宿白水館で始まった。
     「永世竜王」、「永世七冠」が懸かる挑戦者の羽生棋聖が3勝1敗で迎えた本局は定刻、立会人の青野照市九段の合図で対局が開始された。戦型は今シリーズ初の角換わりになり、羽生棋聖は▲5六銀と腰掛け銀にして、渡辺竜王はプロ棋界で流行している8一飛・6二金型に構えた。
     解説の飯島栄治七段は、「渡辺竜王の△3一玉は珍しい手です。この後は△5四銀と腰掛け銀にして、駒組みが続くと思います」と話している。

    第4局~嵐渓荘(新潟県三条市)


    第4局:局面

    羽生、永世七冠に王手(11月24日)

    • 3勝目を挙げた第4局を振り返る羽生善治棋聖(24日、新潟県三条市で)
      3勝目を挙げた第4局を振り返る羽生善治棋聖(24日、新潟県三条市で)

     相矢倉の戦型となった対局は、渡辺竜王の封じ手▲2四歩から局面が動き出した。攻勢が取れそうな局面でじっと銀を引いた羽生棋聖の△3三銀が「達人技の手渡し」(屋敷伸之九段)だった。先手の渡辺竜王が動いた直後に反撃した羽生棋聖は終盤、△3四角から鋭く踏み込み、左右から挟撃する芸術的な寄せを決め、粘る渡辺竜王を振り切った。
     解説の中田宏樹八段は「羽生さんの大局観が素晴らしく、形勢判断も正確でした。時間の使い方も巧みで、総合力の勝利でした」と総括した。第5局は12月4、5日に鹿児島県指宿市の指宿白水館で行われる。

     羽生棋聖の話「序盤から微妙な形勢が続いて、はっきりしない展開でした。勝ちを意識したのは、最後の最後。(永世七冠がかかる次局は)良いコンディションで対局を迎えたい」

     渡辺竜王の話「あまり例がない将棋で序盤が難しかった。(次局も)粘り強く指して頑張りたい」


    相矢倉の戦い(11月23日)

    • 前夜祭で抱負を語る渡辺竜王(22日、三条市長野の嵐渓荘で)=平山一有撮影
      前夜祭で抱負を語る渡辺竜王(22日、三条市長野の嵐渓荘で)=平山一有撮影
    • 前夜祭で意気込みを語る羽生棋聖(22日、三条市長野の嵐渓荘で)=平山一有撮影
      前夜祭で意気込みを語る羽生棋聖(22日、三条市長野の嵐渓荘で)=平山一有撮影


     将棋界の最高棋戦で、渡辺明竜王(33)に羽生善治棋聖(47)が挑む、第30期竜王戦七番勝負第4局(読売新聞社主催)が23日午前9時、新潟県三条市の嵐渓荘で始まり、渡辺竜王が41手目を封じて1日目を終えた。
     「永世竜王」、「永世七冠」がかかる羽生棋聖が2勝1敗で迎えた本局は、今シリーズ初の相矢倉の戦いになった。先手番の渡辺竜王が▲6八玉として早囲いを目指すと、羽生棋聖は△7五歩から歩を交換して積極的に動いた。渡辺竜王は1時間を超す長考で▲6五歩と反発し、序盤の駆け引きが続く局面で封じ手となった。解説の中田宏樹八段は「渡辺竜王は攻めていくのか、厚みを築いて受けに回るか、封じ手が岐路になると思います」と話している。

    第3局~臨江閣(前橋市)

    第3局:局面

    渡辺、相穴熊制す 1勝2敗に(11月5日)

    • 羽生棋聖(手前)に勝利し、感想戦で笑顔を見せる渡辺竜王(左)(11月5日、前橋市大手町の臨江閣で)=佐藤千紘撮影
      羽生棋聖(手前)に勝利し、感想戦で笑顔を見せる渡辺竜王(左)(11月5日、前橋市大手町の臨江閣で)=佐藤千紘撮影

     羽生棋聖が中飛車を採用して、両者の竜王戦七番勝負では初めて居飛車対振り飛車の戦型になった。相穴熊の戦いで、羽生棋聖の封じ手▲4三歩から攻め合いの終盤に突入した。
     渡辺竜王の攻防手△9二角に羽生棋聖は▲4七銀と頑強な受けで対抗したが、自陣に飛車を打って優位に立った渡辺竜王が手堅く寄せた。解説の阿久津主税八段は「終盤まで均衡を保つ最高レベルの攻防だったが、後手の角二枚を使った攻めが厳しかった」と話した。第4局は23、24日に新潟県三条市の嵐渓荘で行われる。

     渡辺竜王の話「終盤は手が広くてわからなかったが、△5二飛がぴったりした手で少し良くなったと感じました。(第4局に向けて)また新しい気持ちでやれたらいいと思います」

     羽生棋聖の話「封じ手の時点であまり良いとは思えなかった。(持ち駒に)歩がないのが痛かった」

    羽生、強気の攻め(11月4日)

     将棋界の最高棋戦で、渡辺明竜王(33)に羽生善治棋聖(47)が挑む、第30期竜王戦七番勝負第3局(読売新聞社主催)が4日、前橋市の臨江閣で始まり、午後6時4分、羽生棋聖が49手目を封じて1日目を終えた。
     「永世竜王」、「永世七冠」がかかる挑戦者の羽生棋聖が2連勝して迎えた本局、先手の羽生棋聖は▲5八飛と中飛車を採用した。渡辺竜王は△1一玉と得意の穴熊に潜り、羽生棋聖も▲1九玉として相穴熊に。午後に入って羽生棋聖は▲4六歩と仕掛けて局面を動かした。羽生棋聖の▲5四歩、渡辺竜王の△5七銀と激しい応酬になったところで封じ手となった。
     解説の阿久津主税八段は「羽生棋聖が強気に攻め、渡辺竜王はカウンターを狙っています。封じ手によっては2日目の午前から一気に終盤戦に入る可能性もあります」と話している。

    相穴熊の戦い(11月4日)

     将棋界の最高棋戦で、渡辺明竜王(33)に羽生善治棋聖(47)が挑戦する、第30期竜王戦七番勝負第3局(読売新聞社主催)が4日午前9時、前橋市の臨江閣で始まった。

     「永世竜王」、「永世七冠」がかかる挑戦者の羽生棋聖が2連勝して迎えた本局は定刻、立会人の藤井猛九段の合図で対局が始まった。
     先手の羽生棋聖の3手目、▲5六歩が「意表を突く一手」(藤井九段)。▲5八飛と羽生棋聖には珍しく飛車を振った。その後、渡辺竜王が△1一玉、羽生棋聖が▲1九玉と潜る相穴熊の戦型になった。

     解説の阿久津主税八段は「渡辺竜王にとって羽生棋聖の中飛車は意外だったと思います。ここから更に玉を固めるか、仕掛けを模索するか。互いに神経を使う展開です」と話している。

    第2局~大船渡市民文化会館(岩手県大船渡市)

    第2局:局面

    羽生妙手で連勝(10月29日)

    • 初手を指す渡辺竜王(右)と羽生棋聖(28日午前、大船渡市で)=徳山喜翔撮影
      初手を指す渡辺竜王(右)と羽生棋聖(28日午前、大船渡市で)=徳山喜翔撮影

     第30期竜王戦七番勝負第2局(読売新聞社主催)は29日午後6時22分、羽生棋聖が128手で勝った。「永世竜王」、「永世七冠」が懸かるシリーズで2連勝とした。

     先手の渡辺竜王は手厚く矢倉に囲い、後手の羽生棋聖は雁木(がんぎ)囲いに構えて仕掛けた。封じ手以降も羽生棋聖は攻勢をとり、控え室のプロ棋士らの予想になかった△7七桂打の絶妙手を放って攻めをつないだ。

     渡辺竜王は▲7八銀と囲いを再構築して難解な終盤戦に突入したが、竜を巧みに活用した羽生棋聖が徐々にリードを広げて勝ちきった。解説の飯塚祐紀七段は「盤上の駒が全て働く大熱戦で、最後は羽生棋聖の寄せが鋭かった」と話した。第3局は11月4、5日に前橋市の臨江閣で行われる。

     羽生棋聖の話「序盤は失敗したのではないかと……。ずっと苦しいと感じていた。△7九竜と回って駒が取れる形になって、良くなったと思います」

     渡辺竜王の話「(△7七桂打は)想像していたよりも厳しい手でした。ここまで内容も良くないので、もう少しましな将棋を指さないといけないですね」

    羽生棋聖が仕掛ける(10月28日)

     第30期竜王戦七番勝負第2局は、午後6時、渡辺竜王が49手目を封じて1日目を終えた。

     初日の午後はじっくりとした駒組み合戦になり、午後5時過ぎに羽生棋聖が△6五歩と仕掛けた。双方の駒がめいっぱい働く形になっている。解説の飯塚祐紀七段は「羽生棋聖が攻めて、渡辺竜王が反発含みで受け止める展開です。封じ手以降は激しい将棋になるでしょう」と話している。

    矢倉VS雁木で始まる(10月28日)

     将棋界の最高棋戦で、渡辺明竜王(33)に羽生善治棋聖(47)が挑戦する、第30期竜王戦七番勝負第2局(読売新聞社主催)が28日午前9時、岩手県大船渡市の市民文化会館で始まった。

     「永世竜王」、「永世七冠」がかかる挑戦者の羽生棋聖が先勝して迎えた本局は定刻、立会人の屋敷伸之九段の合図で対局が開始された。先手の渡辺竜王は▲7六歩と角道をあけ、羽生棋聖は△8四歩と応じた。渡辺竜王は手厚く矢倉に囲い、羽生棋聖はプロ棋界で流行している雁木(がんぎ)の陣形に構えた。

     解説の飯塚祐紀七段は「互いに速いペースで駒組みを進め、仕掛けのタイミングが近づいています」と話している。

    第1局~セルリアンタワー能楽堂(東京都渋谷区)(協賛=東急グループ)

    第1局:局面

    羽生棋聖が渡辺竜王に先勝(10月21日)

    • 第30期竜王戦七番勝負第1局に臨む羽生善治棋聖(左)と渡辺明竜王(20日午前9時16分、東京都渋谷区のセルリアンタワー能楽堂で)=飯島啓太撮影
      第30期竜王戦七番勝負第1局に臨む羽生善治棋聖(左)と渡辺明竜王(20日午前9時16分、東京都渋谷区のセルリアンタワー能楽堂で)=飯島啓太撮影

     将棋界の最高棋戦で、渡辺明竜王(33)に羽生善治棋聖(47)が挑む第30期竜王戦七番勝負第1局(読売新聞社主催、東急グループ協賛)が20日から東京都渋谷区のセルリアンタワー能楽堂で行われていたが、21日午後4時28分、羽生棋聖が95手で勝ち、初戦を白星で飾った。

    羽生仕掛ける(10月21日)

     羽生棋聖が▲1五歩と端から仕掛け、控室のプロ棋士らの検討に挙がっていなかった△3四歩を渡辺竜王が指した直後の41手目を、午後6時1分、羽生棋聖が封じた。

     解説の中村太地王座は「羽生棋聖が積極的に動いて、渡辺竜王が受け止める展開です。一手一手が濃密な戦いになりそう」と話した。

     竜王戦では、1989年の第2期以来28年ぶりの公開対局で、能舞台が対局場になるのは初めて。緊張感が漂う中、約30人のファンが封じ手の場面などを、客席から見守った。

    序盤はスローペース(10月20日)

     先手の羽生棋聖は初手▲2六歩と指し、渡辺竜王は△8四歩と応じた。その後は互いに飛車先の歩を伸ばす出だしになった。羽生棋聖の9手目▲5八玉が力将棋を志向する意表の一手。渡辺竜王は約1時間の長考で△1四歩と間合いを計った。序盤はスローペースで進行している。
     解説の中村太地王座は「羽生さんの注文でいきなり定跡形から外れました。手探りの将棋で、神経戦になっています」と話している。

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    ◆七番勝負対局日程


    第1局 10月20・21日 東京都渋谷区 セルリアンタワー能楽堂(協賛=東急グループ)
    第2局 10月28・29日 岩手県大船渡市 大船渡市民文化会館
    第3局 11月4・5日   群馬県前橋市 臨江閣
    第4局 11月23・24日 新潟県三条市 嵐渓荘
    第5局 12月4・5日   鹿児島県指宿市 指宿白水館
    第6局 12月11・12日 山形県天童市 ほほえみの宿 滝の湯
    第7局 12月20・21日 山梨県甲府市 常磐ホテル

    本戦回顧


     中学生棋士の藤井四段が1回戦で増田四段を破って歴代1位となる29連勝を達成した。対局には200人以上の報道陣が詰めかけ、日本中の注目を集めた。藤井四段は2回戦で佐々木六段にプロ初黒星を喫した。挑戦をかけて戦ったのは、ランキング戦1組優勝の松尾歩八段と同2位の羽生棋聖。羽生棋聖がギリギリの攻防を制した。

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    2017年12月06日 09時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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